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【 イベントレポート 】

『水族館プロデューサー中村元 presents 中村元の超水族館ナイト2016秋 ~命のリアルを伝えたい!~(vol.25) 』ライブレポート(16.10/02開催)

2016年11月24日

ゲストトーク

休憩を挟んで第二部がスタート。海洋堂の宮脇センムが登壇!
 

超水族館ナイト”本編”に宮脇センム登場!
センム登壇!

 
宮脇センムは2013年に超水族館ナイトのスピンオフ企画としてサンシャイン水族館で3夜連続で開催された 『サンシャイン水族館 南国ビアガーデンスペシャルナイト・トークライブ!』 の2日目にゲスト出演していますが、カルカルでの本編では初登場。
 

休憩時間にはスクリーンには海洋堂のヒストリー映像が流されていた。
チョコエッグの映像に「懐かしい!」「集めていた」の声が上がる
海洋堂ヒストリー

 


水族館フィギュア

今でこそ全国各地の水族館の人気のお土産として定着した水族館フィギュアですが、「昔はネイチャー系・生き物系フィギュアは全然売れないし、儲からないものだった」と宮脇センム。そんな水族館フィギュアを世間に広く認知させるキッカケを作ったのも実は中村さんだったというから驚きです。

江ノ島水族館が新江ノ島水族館としてリニューアルオープンする際に、中村さんは、荒俣宏さん(荒俣さんは子供の頃から江ノ島水族館に通いつめていたそうです)と共に「今までになかったお土産物を作ろう」と水族館フィギュアの製作を海洋堂に依頼。そして、出来上がった精巧なフィギュアを単なるお土産としてだけではなく、セブンイレブンと手を組んで500mlペットボトルのオマケに付けるという大胆なキャンペーンを展開。フィギュアを情報発信の媒体として活用したのです。結果、オープン当日には徹夜組もでるほどの集客を記録。もちろん徹夜組の中には純粋な水族館ファンだけでなく、カプセルフィギュア目当ての海洋堂ファン・コレクターの人達も多数含まれていたのですが、「水族館フィギュア」という一つのカテゴリがここで確立されたことによって、全国各地の水族館に水族館フィギュア文化が急速に広がったと言えます。

水族館フィギュアで ”思い出” を持ち帰る

日本人は水族館で実物を見るよりも先に食卓に並ぶ魚(お刺身や干物)を見て、その魚が生きている状態を思い描くことが多いと言えます。右利きの人が多いので、魚をイメージする時は頭は左。図鑑や博物画も全てそうなっています。また、特に正面から魚を見る機会は殆どないため、魚の厚さには無頓着です。

宮脇センム
「魚をフィギュアにする時に、実は本物の魚のサイズ感で再現してしまうと、我々が想像している以上に魚がペラペラになってしまいます。それが本来の魚の厚みなのだけれど、手にした人はまるで死んだ魚のように薄っぺらく感じてしまう。だからニセの厚みをつけてあげて、イメージの中にある力強い生命力を持った魚に近づけてあげるんです。」

テリーP
「中村さんがさっき言っていた リアルを表現したいからと言って何もかもリアルに作ったところで逆にリアルに感じて貰えなくなる というやつですね?」

中村さん
「先着30人のプレゼントで配ったオニイトマキエイのフィギュアだけど、確かにニセの厚みがついている。こんなに分厚いオニイトマイエイはおらんよ?でも、我々が想像する海の中を泳ぐ悠々とマンタの姿はまさにこのフィギュアそのもの。イメージの中にあるリアルなオニイトマキエイが再現されているんです。」
 

フィギュアを手にリアル感を語る中村さん
フィギュアを手にする中村さん

 

ニセの厚みがリアル感を高める
ニセの厚みがリアル感を高める

 
宮脇センム
「オニイトマキエイのフィギュアはウチのモデラーの村松しのぶが作ったのですが、とにかくまず一生懸命観察するところから始める。本物を見ないと作れないんです。全体的な印象から表情、ディテールの造りまで徹底的に頭に叩き込みます。それから資料を集めたりして、どうやってフィギュアにしていくかを考えていく。その過程は中村さんの水槽展示同様、絵画的な要素があるワケです。」

中村さん(フィギュアをしげしげ眺めなら)
「悔しいなぁ。水族館ではこんな色はなかなか出せない。実際の海で見たりすると確かにこういう雰囲気の色なんだよね。水族館では照明のせいかな、どうしてもベタッとなってしまう。本当に良く出来ている。まさにリアルや!」

水族館の水槽展示と海洋堂の水族館フィギュア、表現の手段は異なるものの根底にあるアプローチの仕方や作品を仕上げていくプロセスは全く同じ。中村さんが今回のゲストに宮脇センム招いたのも納得です。


水族館フィギュアで ”思い出” を持ち帰る

宮脇センムは日本のお土産文化について「非常に貧しい」と語ります。確かに「▽▲水族館に行ってきました」と書かれた煎餅やら饅頭やら、「別にその水族館に関係ないじゃん!?」というお土産をたくさん見かけます。それを買って職場の同僚に配ったりするのが日本のお土産の慣例となっているワケです。

英語ではお土産を「スーベニア」と呼びますが、日本人のお土産とはニュアンスは異なっていて、元々はフランス語の「思い出す」が語源。つまり、自分のための「思い出」を持ち帰るのが海外のお土産文化であると言えます。

宮脇センム
「水族館で出会った魚やイルカやアシカなど、その記憶をそのまま家に持ち帰ってほしい。フィギュアなら机の上に水族館の思い出を再現できるし、グルグルと色々な方向から眺めることができます!」

せっかく水族館に行っても、以前はその思い出を持ち帰ることができるお土産に乏しかった。そういった意味では「水族館フィギュア」という文化が広く根付いたのは非常に素晴らしいことだと感じます。

ところで、水族館には多種多様な生き物がいて、主役級の生き物だけではなく、その周りを脇役的な魚が泳いでるなど、色々なものを見せることによって世界観を演出しています。同様にフィギュアを制作するにあたっても「主演俳優ばかりではダメ!必ず脇役やハズレ的な生き物のフィギュアもそのシリーズに混ぜてあげることが大事!」と宮脇センム。そうすることによってフィギュアでもリアルな世界観・多様性を表現できるのだそうです。

…と、こんな調子で、中村さんと宮脇センムによる1時間を超える超絶マシンガントークが繰り広げられたわけですが、とにかく喋る!喋る!内容が盛りだくさん過ぎてとてもここには書ききれません(苦笑)。個人的には中村さんと宮脇センムが最後に声を揃えて言い放った「これからはゲリラができる水族館が断然も面白い!」との言葉がとても印象に残りました。

あっ! ゲリラができる水族館といえば…(次頁に続く)

超絶マシンガントークが繰り広げられる
中村さんとセンムのマシンガントーク