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【 イベントレポート 】

水族館プロデューサー・中村元 presents 『中村元の超水族館ナイト2018春 ~伝えるということ~(vol.29)』 ライブレポート(18.02/18開催)

2018年05月31日

カルカル屈指の人気イベント 『中村元の超水族館ナイト』 が、来たる 2018年6月17日 の公演を以て記念の ”第30回目” を迎えます。チケットは 5月17日(木)より絶賛発売中! 毎回、超満員となるソールドアウト必至のイベントですので、チケットの確保がまだの方はお早目に!

さて、相変わらずの鈍亀レポートで恐縮ですが、前回(第29回目)の超水族館ナイトのレポートです。トークテーマは 「 伝えるということ 」 でした。

水族館プロデューサーとして、苦境から抜け出せない水族館に対して集客のための道筋をプレゼンしたり、水槽展示を通してお客さんに感動やメッセージを伝えたり、大学や専門学校で水族館を目指す学生に授業を行ったり、また、最近では各種セミナーや講演会で講師を務める機会も急増中で、 「僕の仕事って ”伝えること” ばっかりや!」 と語る中村さん。中村さんがプロデュースした水族館の展示には連日多くのお客さんが押しかけ大盛況となっています(つまり、展示に込められたメッセージがきちんと伝わっている)。この超水族館ナイトにおいても、面白く、時に刺激的な ”中村節” に乗せて私たちの心に響くメッセージを投げ続けてくれていて、それがお客さんの共感を得ているからこそ、これだけの開催回数を重ねてきていると言えます。

第29回目の超水族館ナイトは、そんな ”伝えること” の達人である中村さんが、ビジネスシーンでのプレゼンテーションであったり、日常生活でのコミュニケーションであったり、はたまた愛の告白(!?)に至るまで、”伝えるために大事なことは何か?” を自らの経験を踏まえて詳しく語ってくれました。そして、生命を展示する場である 水族館が伝えるべきこと にも言及。

後半(第二部)にはゲストの海洋写真家・ 吉野雄輔さん が登壇。水槽というごく限られた空間に広い海の中の感動的な光景を再現して ”伝える” のが中村さんなら、印画紙という平面に固定された画像を以て海の広さや奥深さ、生命の躍動感を写しこんで ”伝える” のが吉野さんです。つまり、手法が異なるだけで目指しているもの、伝えようとしているものは全く同じというお二人。中村さんが鳥羽水族館で企画室長をしていた頃からのお付き合いだそうですが、さてどんなトークが繰り広げられたのか? もちろん、吉野さんは海の中の風景や海の生き物の写真を沢山持ってきてくれました。吉野さんの写真がスクリーンに大きく映し出されると客席からはどよめき交じりの歓声や感嘆の溜息が。カルカルがしばし”海の中” となった一夜を振り返ります。

 

第29回目の超水族館ナイト、まもなく開演!
29回目の超水族館ナイト

 


 

【出演者紹介】

 

■ 中村元(水族館プロデューサー)

 

中村元さん
中村元

 

鳥羽水族館入社後、アシカトレーナー、企画室長を経て新しい鳥羽水族館をプロデュースし、副館長を務める。2002年に日本で唯一人の水族館プロデューサーとして独立し、新江ノ島水族館、サンシャイン水族館、北の大地の水族館の展示プロデュースを手掛け、いずれも大成功に導いた。特に昨年(2017年)6月にはゼロから創り上げた新設水族館 「マリホ水族館」 がオープン。さらに 7月にはサンシャイン水族館の屋外エリア(マリンガーデン)の展示リニューアル 「天空のオアシス第二章」 を成功させ、大きな話題を呼んだ。日本バリアフリー観光推進機構の理事長でもあり、まちづくり・地域づくりのアドバイザーとしても全国各地を忙しく飛び回っている。

 

■ テリー植田
(東京カルチャーカルチャー・プロデューサー)

 

テリー植田プロデューサー(以下テリーP)
テリー植田P

 

2008年に 『水族館ナイト』 として本イベントを企画し、中村さんとともに 『超水族館ナイト』 へと進化させ、育ててきた。奈良県桜井市出身で実家は三輪そうめんの製麺所。夏になると そうめん研究家・ソーメン二郎 としても大活躍。2018年6月4日には納涼!ソーメン二郎のそうめん祭を開催予定。(そうめん好きの方はコチラも是非!)

 


 

開演時刻となり大きな拍手に迎えられ
おなじみの超水族館コンビが登場!

超水族館コンビ

 

本イベント開催時点では、まだまだインフルエンザが大流行中でした。チケット買ったのにインフルエンザにかかってしまい残念ながら参加できなかった人もいたそうです。ちなみに中村さんもこの3週間前にC型を発症してダウンしていたとか。そんな事情から乾杯の挨拶は次のようになりました。

中村さん
「みなさんが病気にかからず1年間元気で、今年も3回連続で超水族館ナイトに参加できることを祈念いたしまして…乾杯!」

 

乾杯! そして、満員御礼!
乾杯

 

中村さんが手にしているのは爽やかなブルーのドリンクは超水族館ナイトでは定番となっているイベント限定ドリンク 「超水族館カクテル」 。超水族館ナイトをイメージした淡いブルーの色味とフルーティーな風味が楽しめます。毎回同じテイストというワケではなく、少しずつレシピを変えて提供されていることは過去のレポートでも紹介していますが、特に今回は新機軸の超水族館カクテルとして生まれ変わっていました。…というのも、カクテルベースに使用しているのが、『WAPIRITS (和+スピリッツ)TUMUGI』 という ”いいちこ” でおなじみの三和酒類が 日本の国菌 「麹」 の技と厳選したボタニカル素材で紡ぎ出した日本発のスピリッツ。麹由来ゆえ「食事にも良く合う」と評判で、カクテルベースとしてだけでなく、料理に使用する人も増え、Instagramに『TUMUGI』を使った料理の写真が多数投稿されるなど今、注目の集めているお酒です。

 

超水族館カクテル
(TUMUGI+ブルーキュラソー
+ドライソニック+フレッシュオレンジ)

超水族館カクテル

 

イベント限定フードもここで紹介します。

 

桜海老と菜の花ペペロンチーノ
桜海老と菜の花ペペロンチーノ

 

寒ブリのカルパッチョ
~大葉と味噌のソース
寒ブリのカルパッチョ

 


 

【前半の部より】

 

前半は中村さんのよるテーマトーク。第28回目の超水族館ナイトのテーマ「科学離れと水族館の理科教育」とも密接に関係している内容で、情報を ”伝える”という意味や方法論に始まり、いつものように 水族館のあるべき姿 を説いていきます。

 

1.「伝えること」はシンプルに!

 

中村さん
「この前、テレビを見ていたら懐メロ特集みたいな番組をやっていたのよ。ピンク・レディーの映像が結構長い時間流れていて、それをジーッと見とったんやけど…」

テリーP
「僕はケイちゃんよりミーちゃんが好きでした。僕らの世代はだいたいミーちゃんが好きで、でも大人になるとケイちゃんが好きになるという逆転現象が起こるんですよ!」

中村さん
「なるほど。ミーちゃんのフトモモ、良かったよね!」

テリーP
「そうそう!…って、なんのイベントなんですか!?

客席:(笑)

いきなりのエロ脱線! でも、ここからが中村さんの真骨頂! 「ああ、なるほど!」と唸ってしまうような怒涛のトークが始まります。

 

はい、フトトモから離れて、本題へ…!
前半のトークが始まる

 

中村さん
「ピンク・レディーの歌詞のテロップを見ていて思ったんやけど、メチャクチャな歌詞やな! 」

テリーP
「あんまり意味ないですよねぇ…」

中村さん
「あんまりどころか全くナイ! 音楽や芸術こそ誰かに何を伝えるためにあるものでしょ? あの歌詞で一体何を伝えてるの!? …と一瞬だけ思いましたが、すぐに分かりました。”元気” を伝えているんです! あの歌、あの踊りを見て、『うわー、おもろいわー!元気になる!』って心の底から湧いてくる。 ”伝える” ってこういうことだと思うんです。歌詞に小賢しいことをいっぱい書いて詰め込んでも誰にも伝わらない。」

超水族館ナイトで中村さんが度々触れる話題の一つに 「水族館の解説版は誰にも読まれていない」 というものがあります。水族館の館長や学芸員に 「展示とは何か?」 と問いかけると 『展示とは情報である』 と答える人が非常に多いそうです。

中村さん
「俺も展示は情報だと思っているよ。ただ、彼らは水槽の傍らにある解説板に文字でビッシリと解説を書きまくって、それで沢山の情報を伝えた気になっているんや。 」

実際に水族館に行くと、解説板を見ると、魚の種類・分布・生態・似た魚との見分け方…等々、図鑑や専門書に載っているような細かい科学的な知識を大量に羅列したものが目立ちます。

中村さん
「そんなの誰も読んでくれへん! 伝わらなければそれは情報ではなく、ただのデータです! 人に伝わって初めて情報になるんです。展示が情報であるのなら伝わらならければ展示ではないということや!」

人に何かを伝える時に、一番最初に行うことは「何を伝えたいか?」を整理し、まとめること。この時、水族館の解説板の例からも分かるように、一度に沢山のことを伝えよう(或いは教えよう)とすればするほど相手には何も伝わらなくなってしまうのだとか。だから 伝える内容はできる限りシンプルにした方が良い

中村さん
「水族館の展示で言うなら、海に潜ったら『(押し寄せた波が岩で砕けて)泡や渦が凄かった!』 とか、『ペンギンって本当に海の中を飛んでいるんだ!』とか、そういったシンプルで直感的な感動を伝えよう!…とね。」

テリーP
「それで出来たのがマリホ水族館(生きている水塊)や、サンシャイン水族館(天空のペンギン)なんですね!」

実際にそれらの展示は見た瞬間にその感動の光景をありありと伝えてくれています。