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【 イベントレポート 】

水族館プロデューサー・中村元 presents 『中村元の超水族館ナイト2018春 ~伝えるということ~(vol.29)』 ライブレポート(18.02/18開催)

2018年05月31日

 

海洋写真トーク・その1

 

■ アオウミガメの赤ちゃん

この ”第29回目” の 超水族館ナイトの告知用バナー画像に使われた写真。アオウミガメの赤ちゃんが海へ旅立つシーン。自然下でウミガメが孵化して海へと向かう場面に遭遇することは、小笠原で長く研究をしている人達ですら殆どないそうです。まさに「奇跡的に撮れた一枚(吉野さん)」。

 

仔ガメが海へと旅立つ
アオウミガメの赤ちゃん

 

■ マルディブの浅瀬(水深1m)

中村さんがサンシャイン水族館やマリホ水族館で創り上げたラグーン水槽のイメージがまさにコレ。どこまでも広がる南の海。圧倒的な水塊に溺れそうになります。

 

波で光が躍る美しさ
マルディブの海

 

中村さん
「さすがにここまでキレイなのは水族館ではまだ作れていないんやけどな。」

吉野さん
「この場所は水深は1mにも満たない浅瀬で、結構波が強かったんだけど、その波で太陽の光が躍っている。中村さんも水族館の展示で光を躍らせていたよね?」

中村さん
「うん。水は透明だから、光と影があって初めて水の存在が分かるのよね。写真家もよく言うじゃないですか、光や影を切り取る(撮る)って!」

吉野さん
「やっぱり中村さんと僕は一緒だね。暗いところがあるから明るいところが映えるんだ!」

中村さん
「それと大事なのは真ん中にある濃い青のライン。これがあるからどこまで続く海の奥行きが感じられる。僕の場合はこのグラデーションした青のラインを水槽の中でいかに作るかが勝負。これが表現できると狭い水槽の中にどこまでも続く海が現れるんです。」

 

■ 水面で隔てられた2つの世界

水の中と陸の様子を1枚の写真に同時に写し込んだもの。水中カメラマン用語で半水面と呼ぶそうです。海の深さも奥行きも、そして、空の高さまで感じられます。

 

半水面
半水面

 

吉野さん
「マリホ水族館にもこういう表現あったよね?」

中村さん
「川のやつ(うねる渓流の森)ね!」

吉野さん
「自然な写真ではないかもしれないけど、僕は半水面の写真が好きなんです。真ん中にある水面より上は空気のある世界、下は水の中の世界。僕ら水中カメラマンは 『地球には2つの世界がある。それは、空気のある世界空気のない世界だ』と言っています。その二つの世界は水面一枚で隔てられていて、人間は水に潜るだけですぐに全く別の世界に行けるんです。」

中村さん
「でも、水に潜ると体が濡れるからなぁ。それが嫌な人は水族館で料金払えば簡単に2つの別世界が見れます!」

客席(笑)

 

■ 伊豆城ケ崎より 光の見え方 ~ 渦&泡

伊豆城ケ崎の海中風景が2枚。

1枚目が太陽から降り注ぐ日差しが美しい1枚。中村さんが水族館で「創りたい!」と強く思いながら実現していないのがこの太陽のある光景。色々と試しては見たものの太陽に見えるような明るさの超強力ライトを使うとその熱で水槽の水がまたたくまにお湯になってしまうのだとか。でも、中村さんのことです。いつか中村マジックで太陽を生み出す日が来るかもしれませんね。

2枚目は荒波と気泡で躍動感が捉えた写真。中村さんがマリホ水族館(波の向こうへ)やマリンワールド海の中道(九州の近海)の展示で創り上げた光景がこれに当たります。

 

太陽から降り注ぐ光が美しい
一点から太陽の光

 

城ケ崎の荒波。
視界いっぱいに広がる気泡がド迫力!

渦&泡

 

「残念ながら太陽だけは作れない」と
悔しそうに語る中村さん

中村さんと吉野さん

 


 

心癒される爽やかな海の風景に続いて、海の生き物たちの写真も見せてくれました。

 

■ ナポレオンシュッシュ

非常にワイドな画閣で顔が大きく誇張された写真。その立体感が生命力を感じさせてくれます。この写真も中村さんが鳥羽水族館時代にのポスターに使用したもの。

 

顔が命のナポレオンフィッシュ
ナポレオンフィッシュ

 

中村さん
「確かメガネモチノウオとかナポレオンシュッシュとか魚名は一切入れずに 『海より深い海がある』というキャッチコピーを付けてポスターにしました。海の生命力はもちろん、海の深さや浮遊感を感じさせてくれる凄く良い写真だと思うのね。」

吉野さん
「そう、浮遊感ね! 海の中では生き物もそれを狙って撮っている僕らも浮遊しているんだよね! ダイビングをやっている方には共感してもらえると思うけど、水中に浮いているあの感覚を是非、知ってほしい。実際にダイビングで潜れないなら、僕の写真でもいいし、中村さんの創った水族館でもいいです。とにかく浮遊感を感じて癒されてほしいね!」

 

■ サザナミフグ

水族館でも人気者のフグ。もちろんダイバーにも大人気。魚の図鑑はサメの仲間に始まってフグで終わることが多いそうです。大抵の図鑑はより原始的な魚が巻頭に、ページが進むほど分類学的に進化の新しい魚が載っている。フグがとても愛嬌があって表情豊かに見えるのは、魚の中でも人間に近い存在だからなのかもしれません。

 

愛嬌のある顔と仕草で人気のフグ
愛嬌のあるフグ

 

■ クマノミ

続いて、クマノミ。1枚目は幼魚の写真で、色合いもあどけない表情も最高に可愛い。

 

クマノミの赤ちゃん
クマノミ(赤ちゃん)

 

吉野さん
「ピンク色がとても優しい感じを演出してくれているけど、でも実はコレ、サンゴの白化現象と同様にイソギンチャクが高水温で白化しているからこの色合いになっているんだよね。イソギンチャクは耐久性があってサンゴのように一気に死滅はしたりはしないんだけど、地球にとってはあまり好ましくない写真なんです。キレイだけど…。」

2枚目は大人(おじさん?おばさん)のクマノミ。

 

ふてぶてしい顔つきは
厳しい生存競争を勝ち抜いてきた証か
クマノミ(おとな)

 

お客さんも吉野さんの写真に
すっかり惹き込まれていました
客席も吉野さんの写真に夢中に

 

あと少し写真の紹介が続きます。いよいよ海獣が登場!