(株)ヤママル presents『静岡直送!春だよ!桜えびパーティ!with DJみそしるとMCごはん』 ライブレポート(2018/04/15開催)
2018年06月18日
”しずまえ” を代表する春の味覚といえば 桜えび 。
実は世界的にも稀少な海洋生物であり、日本では駿河湾だけで漁が行われています。しかも、桜えび漁の許可証を持つ船は、由比・蒲原・大井川地区の僅か120隻のみ。禁漁期間も長く、春と秋の限られた時期にしか水揚げされない海の恵みです。
桜えびの春漁解禁(4/4)から間もない4月16日、渋谷カルカルでは、獲れたての桜えびをお腹いっぱいに堪能しつつ、グッドフィーリングな音楽をも楽しむイベント 『静岡直送!春だよ!桜えびパーティ! with DJみそしるとMCごはん』 が開催されました。企画したのは、おいしい桜えびとしらすの専門店(株)ヤママル(静岡県静岡市蒲原)。桜えび はもちろん、日本一と言われる駿河湾産のしらすをふんだんに使った極上メニューがズラリと並びました。また、それらの料理にピッタリと合う由比の地酒 も自由に試飲できるという贅沢さ! DJみそしるとMCごはん のスペシャルライブも行われ、お腹も心も大満足! お客さんが全員笑顔という夢のようなひとときとなりました。
2018年の桜えび春漁は、残念ながら記録的な不漁とのことで、資源保護の為、本レポート公開前の6月4日をもって早期終了となったと聞いています。資源回復と秋漁の豊漁を願って、本当に貴重な機会となった 桜えびパーティの様子を振り返ってみたいと思います。
【 出演アーティスト紹介 】
■ DJみそしるとMCごはん
テレビや雑誌、Webメディア、音楽フェスなど幅広く活躍しているのでご存知の方も多いでしょう。愛称は「おみそはん 。
「おいしいものは人類の奇跡だ!」 をモットーに ”くいしんぼうHIP HOP” を掲げ、料理の作り方をラップしているヒップホップMC。その名から2人組と思われがちですがソロの女性アーティストです。トラックやリリック、ヴィジュアルワークに至るまで全て自らの手で制作し、料理と音楽の新たな楽しみ方を提案し続けています。
出身は静岡県…と言っても、海からは離れた御殿場育ちだそうで 「子供の頃は静岡の海の幸に触れる機会はあまりなかった」 とか。しかし、2014年に行われたイベント 「由比港漁火マルシェ」 へのライブ出演をキッカケに、静岡の海の豊かさ知り、以来、港の人たちとの親睦を深め今日に至っています。Abema TV他で絶賛配信中のアニメ 『衛宮さんちの今日のごはん』 のOPテーマ曲 「エプロンボーイ」 が好評配信中。
桜えびパーティーをHIP HOPで盛り上げた
DJみそしるとMCごはん さん
チケットは前売完売!
開場前を待つ長い列ができていました。
【オープニングトーク】
オープニングを飾ったのはこの3人
一番右:テリー植田プロデューサー
(東京カルチャーカルチャー)
初めに、桜えびを獲っている漁師歴32年のベテラン・原正英さん が、この日 静岡から直送された ”桜えび” について説明をしてくれました。原さんは由比漁港所属の第二大政丸船長。コミュニケーション能力に非常に長けた方で、この桜えびパーティーの客席にも多くの友人・知人・ファン(女性ファン多し!) が来場。大きな声援(黄色い声援!?)を送られていました。その笑顔からも人柄の良さが伝わってきます。優しさと逞しさを兼ね備えた ”海の男” です。
原正英さん
(由比漁港第二大政丸船長)
司会進行を務めたのは大の桜えび好きで自他ともに認めるシーフード通、ホリプロ所属のアナウンサー・柴田幸子さん。 以前より由比・用宗といった漁港を訪れており、原さんやヤママル社の片瀬さん(後ほど紹介)ら ”漁港の顔” と呼べる方々との親交が厚い。
司会:柴田幸子アナウンサー
柴田アナ
「普段、桜えびはどのように獲ってらっしゃるんですか?」
原さん
「専門的な用語では ”中層二艘曳きトロール” と言うのですが、2艘1組で大きな玉網を引っ張って漁をしています。漁ができる期間は決まっていて、春は4月~6月始め、秋は10月の終わりからクリスマス迄。その漁期の中でも実際に漁に出られる日は少なく、年間で45日ぐらいですね…。」
テリーP
「桜えびの旬、ピークはいつごろですか?」
原さん
「春漁ですとゴールデンウィークが明けてからになりますね。富士山の雪解け水が富士川から駿河湾に豊富に流れ込んでいる4月はまだ水温が低く、桜えびが海面付近までなかなか上がって来てくれないんです。漁に最適な水温は約18度と言われていますが、昨夜は17度ぐらいでした。人間にとってはたった1度でも海の生物にとっての1度の差は火傷するぐらいに大きな変化なんです。」
海水温の影響以外にも悪天候などで、本イベント開催時点では解漁後まだたったの2回しか出漁できていないとのことでした。しかも1回目の漁では 30トンとまずまずの水揚げがあったものの、2回目は僅か 1.5tトンと20分の1にまで落ち込んでしまったそうです。原さんの言葉の節々から大自然が相手の漁業の繊細さや難しさを感じます。ちなみにその第2回目の漁は本イベントの前日夕方に出漁しており、そこで獲れたばかりの超新鮮&超貴重な桜えびがカルカルに直送され、振舞われたというワケです。
原さん
「だから今日のイベントは相当にラッキーですよ!!」
はい、本当にラッキーでした!
では、その料理の数々をご覧いただきましょう!
おーぷにんトーク中にも満員の客席から
「おいしい!」「最高!」の声が飛ぶ
【 メニュー紹介 】
- 沖あがり
- 駿河湾産釡あげ桜えびとしらすの紅白丼
- しらすトルティーリャ
- 桜えび&しらす! 紅白ブルスケッタ
- 桜えびキャロットラペ
- 桜海老入り!エスニック素麺
- デザート(ティラミス)
開場と同時にカルカル店内に入ると、とても良い香りが…。新鮮な桜えびとしらすを使った数々の料理が準備中でした。
原さんが作っていたのは…
「沖あがり」と呼ばれる
由比・蒲原地区伝統の漁師料理
読んで字のごとく ”沖から上がった” 漁師達の労をねぎらって、お酒とともに出された温かいすき焼き風の鍋料理。昔は夕方に桜えび漁に出かけ、朝方に戻ってきたそうで、この「沖あがり」を食べて、冷えた体を温めたのだそうです。
桜えびの旨味がよく出た
甘辛く濃い目の味付けが美味
そして、こちら( ↓ )がこの日の主役と言ってもよい 「駿河湾産釡揚げ桜えびとしらすの紅白丼」 の提供コーナー!
新鮮な桜えびを茹でていきます
美しいピンク色に輝く釜揚げ桜えび
ご飯にどっさりのせて…
実は、釜揚げ桜えび・釜揚げしらすに加えて、生の桜えびとしらすも用意されていました。なのでお好みで ” 一見 二色丼、よく見ると実は 三色丼・四色丼 ” にして味わうことも。なんという贅沢!
こちらは二色丼に生桜えびを加えて
”三色丼” としたもの
このように生しらすもスタンバイ!
昨年(2017年)は12年ぶりの 黒潮大蛇行 の影響で、駿河湾のしらすは秋以降は殆ど水揚げがないという深刻な不漁に見舞われました。今回、提供頂いた生しらすは有難いことに今年の春の新モノだそうですが、今年のしらす漁の状況も気になるところです。