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【 イベントレポート 】

人気お天気キャスター、気象予報士が大集合!『お天気キャスター・気象予報士大集合’18 〜津波・天災を忘れないために〜』ライブレポート(18.11/16開催)

2018年12月03日

【  台風21号で関空はなぜ水没したのか? 】

 

今回、初参加の三浦さんは東京航空地方気象台長。航空機にとって乱気流や雷は大敵であり、また霧・雪・低い雲等で滑走路が良く見えないと離着陸に支障をきたします。

三浦さん
「東京航空気象台は羽田空港にあって、航空機の安全運航にとって不可欠な気象情報の観測と提供を行っております。」

ここで三浦さんから突如クイズの出題が、、。

三浦さん
「羽田には風向風速計がいくつあると思いますか?ヒントは滑走路は4本です。」

正解は…、各滑走路の両端に設置されており、まず8個。それぞれに1つずつ予備が設けられているのでその倍の ”計16個” だそうです。実際には風向風速計以外にもシーロメーター(雲高測定器)、RVR(滑走路視距離計)、空港気象ドップラーレーダーなど様々な計測器が空港には設置されています。

羽田の滑走路と各種測定器MAP
羽田空港に設置された計測器の数々

 

さて、空港の気象のプロである三浦さんに聞きたいことと言えば、やはり台風21号による 関西国際空港の水没  について。

浦さん
「台風21号が大阪湾を通過して間もない 9月4日 の午後2時過ぎに大阪で最高潮位を計測しました。ところが湾の入り口に近い淡輪の検潮所ではその1時間後に最高潮位を迎えたんです。湾の奥より湾の入口の方がなぜか最高潮位となる時刻が遅かったことになります。その理由は、強い南風により海水が大阪湾の奥に吹き寄せられた大量の海水が湾をグルっと回り込んで南下する現象(副振動)が発生したためと考えられています。結局、湾の入り口に近い関西空港の海域は午後1時から午後3時ぐらいまでずっと潮位の高い状態が続いていたんですね。」

 

関空が水没に至った経緯、原因を
三浦さんが分かりやすく解説
詳細な解説を行う三浦さん

 

台風21号襲来時の大阪湾内の海水の動きを
計算してビジュアル化したもの。
(気象研究所・高野洋雄氏のレポートより)

なぜ関空は水没したのか?

 

この時の関空周辺海域は 潮位:5m、 波の高さ:2m でした。潮位とは基準面から測定した水位から風浪・うねりなどの短い周期の海水面の上下変動(波)の成分を取除いた水位のこと。つまり、ここに波の高さが加わって 高潮 が襲ってきます。

三浦さん
「関西国際空港の防潮堤の高さは5mだったので、高さが足りず、どんどん波が空港内に入ってきてしまった。要するに、潮位だけを見ていてはダメで、潮位+波の高さ を考慮する必要があるということです。今回は想定値を超えた記録的な高潮だったので大きな被害となってしまいました。」

 

そして関空は水没した
台風21号で水没した関西空港について

 

羽田空港同様、関空にも沢山の計器がありますが、水没の際その多くが故障してしまったそうです。

三浦さん
「風向風速計などは少し高いところにありますが、根元の電源やケーブルが海水でやられて次々と壊れてしまいました。さらに観測室の窓に風で飛ばされたモノが直撃してガラスが割れてしまうなどして観測員も退避を余儀なくされました。」

日本は海の上の空港が多くあるのでこの教訓を是非生かして欲しいと思います。

 

関空の滑走路と測定器MAP。
赤枠で表示されているのが台風21号の

高潮被害で壊れた計測器。
関空の計測器と故障具合

 

三浦さんの貴重なトークが続く…
三浦さんの貴重な話に聞き入る

 

関空の話の他にも、2016年に発生した熊本地震の時のことも語ってくれました。三浦さんは当時、福岡管区気象台気象防災部長を務めており、政府の災害対策本部や熊本県の災害対策本部に加わっていたそうです。

 

熊本地震で熊本城が大きく損壊
(国土交通大臣の視察に同行した際の写真)

熊本地震で崩壊した熊本城

 

熊本地震の特徴は
余震回数が
極めて多かったこと。
余震が極めて多かった

 

熊本県庁2階に設置された
政府による現地災害対策本部の様子。
(矢印が三浦さん)
政府の災害対策本部

 

こちらは熊本県庁8階に置かれた
熊本県の災害対策本部。
自衛隊、消防、海保などが集まる。
(赤丸が三浦さん)
熊本県の災害対策本部

 

三浦さんによれば日本の著名な地震学者である東京大学の阿部勝往名誉教授(故人)は、2005年に福島県西方沖地震が発生した時に「日頃からマグニチュード7クラスの直下型地震は日本でいつどこで起きてもおかしくないと言っているけど、本当に起こるんだな…」と呟いたそうです。

三浦さん
「地震学の権威であった東大の先生ですら『ホンマかいな?』と思ってしまうのですから、皆さんもきっとそう思ってしまうことが多々あるでしょう。でも現実に地震は起きていますよね? そう!、本当に起こるんです! それは明日かもしれない。是非そう思って日頃から対策や備えをして頂きたいと思います!」

 

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