「あらゆるものをイベントに!」渋谷のイベントハウス型飲食店

【 イベントレポート 】

『サクラ最前線 2019 〜今サクラに起きていること、そして新種クマノザクラ。〜』ライブレポート(19.03/29開催)

2019年04月07日

ソメイヨシノに今、起きていること

そんな日本の桜の代名詞とも呼べるソメイヨシノですが、近年、開花異常 が多発しているそうです。開花が遅れたり、逆に異常に早かったり、開花したものの満開にならなかったり…等々。原因は 地球の温暖化による開花メカニズムの乱れ であると考えられています。下の2枚の写真ですが、スクリーンに映し出されているのは、鹿児島県鹿屋市で同じ日に同じ地点で撮られた風景だそうです。満開のソメイヨシノがあったかと思えば、そのすぐ隣に殆ど咲いていないソメイヨシノがあるという状況。

 

ソメイヨシノが満開!
ソメイヨシノの開花異常1

 

…と思ったら同じ日の同じ場所でも
殆ど咲いていないソメイヨシノが存在。
(陽当たりも同じなので正に開花異常)
ソメイヨシノの開花異常2

 

勝木先生
「いわゆる ”ボケ咲き” と呼ばれているもので、冬があまりにも暖かすぎると、桜の木がいつ眠ったのか自分で分からなくなってしまうんですね。だから春になっても 『まだ冬が来ていない気がする。そうだ、きっとまだ秋なんだ!』と、また寝てしまう。要するに ”冬に寒さ” を経験しないとちゃんと咲いてくれないんです。温暖化が進んで1~2月の平均気温が10度を超えると、その地域のソメイヨシノは非常にマズイことなると思います。」

 

那覇、種子島、鹿児島、東京の
月別平均気温を示したグラフ。
もともとソメイヨシノの咲かない那覇に
冬の気温が近づくと危険信号。
冬の気温がポイント

 

私たちの頭の中には桜は暖かい方が早く咲き始めるというイメージがあるかと思いますが、近年、九州では一番北に位置する福岡から咲き始めて一番南の鹿児島が最後に咲くという傾向が顕著に表れているそうです。やはり冬が寒い方が開花のスイッチがしっかり入るということなのでしょう。

そんなこんなで、春に当たり前のように咲き誇っているソメイヨシノが、今後さらに温暖化が進むと、やがては幻になってしまう可能性だってあるとのことでした。

テリーP
「ええっ、桜が咲かなくなるってコトですか!? どうしたらいいんでしょう?」

勝木先生
「はい。その一つの解決策として、なんでもかんでもソメイヨシノに頼るのではなく、もともとその地域に自生していた桜 (野生の桜)をもっと大事に活用したら良いのではないかと考えています。野生の桜というのは、例えば、コレ( ↓ )ですね。」

 

奈良県吉野山のヤマザクラ。
(テリーPの思い出の風景)

吉野山の山桜

 

もともとその地域に自生した桜を活用するには、それらのことをもっと調べるなければなりません。それが勝木先生の目下の大きな仕事に一つとなっています。

 

日本の野山で見られる野生の桜

さて、改めて先ほどの問題ですが、

Q:日本には何種類の野生の桜があるか知っていますか?

日本国内に分布する野生種はこれまで9種しか確認されていませんでした。ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、オオシマザクラ、タカネザクラ、マメザクラ、チョウジザクラ、エドヒガン、ミヤマザクラ…。ここにクマノザクラが発見されて現在10種類の野生の桜が自生しています。

 

基本種とされる9種類の桜
(変種も合わせると100種類以上が自生)

日本の野生種

 

それぞれに特徴があるようですが。

勝木先生
「いきなり桜の花の写真を見せられて『これが○○ザクラだよ』 と言われても頭に残りませんよね?  眠たくなっちゃいます。そこで良い方法があります!」

それが… 擬人化!

勝木先生
「桜をいったん擬人化するんです。すると、とたんに覚えやすくなります。今回は可愛い女の子のキャラクターにしました。

まずは推しメン(桜)を探して、その子の 出身地(自生域) や 性格(花や葉の特徴、開花時期) から覚えていきましょう。

 

桜は擬人化して覚えよう!
勝木先生による「キャラ設定」が
細かすぎてお客さん爆笑!

擬人化すると親しみやすい

 

勝木先生から代表的な4人の紹介がありました。擬人化してもいきなり9人を覚えるのは大変なので、まずはこの4人をフォーカスしていきます。

 

 よしの
(ヤマザクラ)
奈良出身。商店街のアイドル。身近なお姉さん。
<勝木先生コメント>
関西の元気なお姉ちゃんです!

 

 かすみ
(カスミザクラ)
山形出身。
農家の娘。
存在感が薄い。
<勝木先生コメント>
開花時期が遅いので咲いていても
気づいてもらえない可哀想な娘。

 

 ひがん
(エドヒガン)
京都出身。
公家の姫様。
美人なのお姉さん。
<勝木先生コメント>
長身で非常に綺麗。
天然記念物に指定されることも。
高貴な身分のお姫様。

 

 おおしま
(オオシマザクラ)
神奈川出身。
武家の娘。
逆境に強い。
<勝木先生コメント>
横暴な桜ですぐに色々なものを駆逐。
武家の娘。
潮風に耐える強さを持つ。

 

皆さんの推しメンはどの子でしょうか?

前の頁で触れたように、「おおしま」と「ひがん」の娘(交配された栽培品種)が、今や国民的トップスターの「そめい」 ということになります。ソメイヨシノは1つの原木からの接ぎ木で増えていったクローンによる巨大勢力。ソメイヨシノを国民的アイドルグループに例えるなら、野生種の桜はご当地アイドルといったところでしょうか。

 

栽培品種「そめい」は
「ひがん」と「おおしま」が共同で
東京都染井村(現在の豊島区駒込)にて
誕生させたスーパーアイドル。
そめいの正体

 

 

 そめい
(ソメイヨシノ)
東京出身。「ひがん」と「おおしま」の娘。トップアイドル。
<勝木先生コメント>
日本が誇るスーパーアイドル!
…が、冬に温暖な地域では勢いに陰り。

 

さて、こうした偉大なるお姉さん達に隠れて、実は紀伊半島・熊野の山奥に、非常に可愛い天然の娘が住んでいることは昨年明らかになりました。それが今回のイベントの主題です。

 

「くまの」こと クマノザクラ!
くまの見つかる!

 

 

 くまの
(クマノザクラ)
和歌山県出身。
神社の巫女。
引き籠り。
<勝木先生コメント>
熊野本宮大社を中心とした狭いエリアに
息をひそめて隠れていた巫女さん。

 

「そめい」は今後、暖かい地域ではアイドルとしていられなくなる可能性があり、とりわけ紀伊半島では、「くまの」への期待が高まっているというワケです。

 

(next:新アイドル「くまの」を知ろう)