『ちくわぶフェス! 世界初のちくわぶフェスティバル ~ 最強ちくわぶレシピ料理3品盛・ちくわぶメーカー別食べ比べ・お土産ちくわぶ付!』 ライブレポート(19.10/08開催)
2019年11月19日
2019年10月、”世界初” の ちくわぶのフェスティバル が、此処、東京カルチャーカルチャーで盛大に開催されました。
ちくわぶ といえば、東京界隈ではおでんの具として親しまれており、私(東京出身)もちくわぶが大好きで 「ちくわぶの入っていないおでんはおでんとして認めない!」 とまで言い切っております。味のよく浸み込んだ食べ応えのあるもっちり感がたまりません。
しかし、このちくわぶ、もったいないことに関東一帯でしか食べられていないんですよね、こんなに美味しいのに…。そんなローカル食材であるちくわぶをこよなく愛するのが本フェスティバルの企画者であり 、恐らく日本でただ一人(ということは世界でただ一人でもある)の ”ちくわぶ料理研究家” である 丸山晶代さん!
東京下町育ちの丸山さんは幼少の頃からちくわぶがごく身近にあったそうで、母親のお手製の惣菜にもよくちくわぶが入っていて、 ”ちくわぶが大好き” に育ったそうです。ところが物心ついたある日、慣れ親しんできたちくわぶが東京近郊でしか食べられていないことを知り驚くと同時に、東京においてもおでん具としてしか食べられていないことに「憤慨(本人談)」し、2011年にちくわぶ料理研究家としての活動をスタート。以来、おでんの具だけではない ”ちくわぶの可能性” を発信し続けています。丸山さんがこれまでに考案したちくわぶ縛りの創作料理のレシピはなんと 500種類にものぼるとか。
人類史上初の「ちくわぶ」の祭典!
カルカルの前を通りがかった人が
「ちくわフェス」と書かれたボードを
「えっ!?」と二度見していきました(笑)
さて、丸山さんはこれまでにちくわぶ料理のレシピを公開したり、ちくわぶ料理を楽しむ少人数制のイベント 「ちくわぶナイト」 を開催するなどしてきましたが、もっともっとダイナミックにちくわぶの世界を広げようと、昨年 「ちくわぶを東京土産に!」 を合言葉に 高級仕様の商品 『東京ちくわぶ』を販売している(株)阿部善商店 と共同で 10月10日 を『ちくわぶの日』として日本記念日協会に登録。 さらに元・有頂天のギタリストである 渡邉博海(ハッカイ)さん とともに ”ちくわぶソング” も制作しました。すると、これまで何度出版社に企画を持ち込んでもなかなか GOサインの出なかった ”ちくわぶ本” の刊行も決まるなど、ちくわぶ界隈が今、大きく動き出そうとしています。ならば、このビッグウェーブに乗って、「東京ローカルのインディーズ食材 『ちくわぶ』をメジャー食材にしよう!」と、”ちくわぶ広め隊の総決起集会” として本フェスティバル開催の運びとなりました。
ちくわぶ好きの関東人はもちろん、ちくわぶにいまひとつ馴染めないという関東以外の出身の方、中にはなんと「ちくわぶを一度も食べたことがない」という方まで来場するなど、平日開催ながらカルカルは満員御礼! 目指すは世界進出!?
東京下町のソウルフード・ちくわぶの世界へようこそ!
この日はカルカルも完全ちくわぶ仕様!
開場時刻にはチクワビスト達が
長い入場待機列を成していた。
この人気を日本全国に、そして世界へ!
【 世界でただ一人(!?)のちくわぶ料理研究家 】
世界初の「ちくわぶフェス」を企画した
ちくわぶ料理研究家の丸山晶代さん。
お着物もアクセサリーも全部ちくわぶ!
■ プロフィール
高校卒業後、アパレル、広告代理店、雑貨屋店長、写真屋店長を経てフリーランスに。2011年よりちくわぶ料理研究家として活動。ちくわぶの魅力を発信し、全国レベルでちくわぶの認知度を上げようと、ちくわぶ料理の研究に勤しむ日々を過ごしている。ちくわぶのレシピ開発だけでなく、ちくわぶグッズを作ったり、ちくわぶソングを作ったり、ちくわぶのキャラクターを作ったり、”ちくわぶカルチャー” を牽引。3匹の保護猫と暮らす愛猫家でもあり、猫グッズの通販・丸山商店を運営。売り上げの10%を殺処分0ゼロを目指して活動を展開している公益財団法人「どうぶつ基金」に寄付している。アニマルホリスティックカウンセラー、猫のごはんアドバイザー。
ちなみに私は 2012年に当時・丸山さんが切り盛りしていたお店「ねこまる茶房」にお邪魔して ”猫メニュー” を頂いております。今回は ”完全ちくわぶモード” でお世話になりました。
丸山さんに作って頂いた猫カレー。
この他にも猫メニューづくしでした。
(2012年撮影)
【 ウェルカムちくわぶ 】
入場して席に着くと、丸山さんオススメの 「ちくわぶ料理4点盛り」 が提供されました。冒頭に書いたように私もちくわぶが大好きなのですが、おでんの具としてしか食べたことがないので、まさに未知との遭遇と言ったところ。
- ちくわぶチップス
- ちくわぶと切り干し大根のサラダ
- ちくわぶのから揚げ
- ちくわぶカヌレ
一つ一つ丁寧に味わいながら試食してみましたが、どれも美味しい!
ちくわぶ4点盛り
グルテンフリーのトレンドの真逆を行く
ほぼグルテンオンリープレート!?
いいんです!美味しければ!
ちくわぶチップス はちくわぶを薄切りにして油でカリッと揚げたもので、おやつにピッタリ! 塩の他、お好みで青のりやカレー粉、ブラックペッパーなどフレーバーを変えるとより楽しみが広がります。ちくわぶの切り干し大根サラダ は切り干し大根のポリポリ&コリコリ感とシコシコした歯応えのちくわぶの相性が抜群でやみつきになりそう。
ちくわぶの唐揚げ
ちくわぶの唐揚げ は丸山さんのレシピの中でも人気ナンバーワンだそうで、 アツアツで食べると美味! (但し、冷めると口の中で粉っぽさが強く感じられるようになり残念な味わいになるので注意) 小麦粉の塊に小麦粉をつけて揚げているのでヘルシー路線とは言い難いかもしれませんが 「美味しいは正義」 です! 外はカリカリで、中はもっちりした歯応えでちくわぶなのに不思議とお肉っぽさも楽しめます。
そして、後ほど改めて紹介しますが、実は丸山さん、5月に TBS系バラエティ「マツコの知らない世界」に出演しているのですが、その時にマツコさんに「美味しい!」と絶賛されたのがコチラ( ↓ )!
ちくわぶカヌレ
ちくわぶカヌレ は、ちくわぶを調味料に漬け込んでフライパンでカリッと焼くだけ。外はカリッ、中はもっちりの素敵なスイーツになります。ちくわぶの穴を利用してラムレーズンやオレンジピールを入れるとより美味しく、よりオシャレに楽しめます。ちくわぶを甘い味で食べるなんて全く想像できなかったのですが、考えてみればちくわぶは小麦粉に水と塩を加えてこねて作られたもの。ほのかな小麦の風味はあるもののちくわぶ自体に主張する味が殆どないので、塩辛い味にも甘い味にも合わせられる応用範囲の広い食材と言えます。実際、ちくわぶをトースターで焼いてジャムやバターで食べるととても美味しいそうです。お試しあれ。
【 オープニング 】
ちくわぶ4点盛りを堪能したところで、ステージでは トークショー の準備が整いました。いよいよ世界初のちくわぶフェスティバルの開演です!
I LOVE CHIKUWABU !
丸山さんと共にちくわぶフェスを盛り上げたのは次の方々…。
司会進行:きだてたく さん
(from デイリーポータルZ)
京都府出身のきだてさんは、ちくわぶとは長く縁がなかったそうですが、丸山さんと出会って ちくわぶに興味を持ち、2012 年にデイリポータルZに 『ちくわぶ料理の可能性を見極めたい』 との記事を寄せました。そんな経緯もあって今回、司会進行役を務めることに。きだてさんの話を聞いていると「おでんの具」という既成概念に縛られている関東人よりもちくわぶに対する発想が非常に柔軟。ちくわぶメジャー化のヒントはきだてさんに聞け!?
渡邉博海さん
(元 有頂天ギタリスト/ハッカイ )
ハッカイさんは 11月6日発売の丸山さんの 著書「ちくわぶの世界」(後ほど紹介)の企画・写真を担当。そのため最近は ”ちくわぶ写真家” と呼ばれることも。バンド「有頂天」の元メンバーで、前述の通り丸山さんと ”ちくわぶソング” を制作する等、ちくわぶ界隈を盛り上げ中。
有頂天時代のハッカイさん
【 ”ちくわぶ愛” あふれるメーカープレゼン 】
まずは美味しいちくわぶを作っている メーカー3社によるプレゼン合戦 から! …といっても持ち時間がなんと僅か1分というムチャぶり(笑)。各社ちくわぶ愛が溢れすぎて1時間ぐらい語り続けそうな勢いでした。
業界シェア 40%を誇る タカトー(茨城県水戸市) は「ちくわぶを関東だけ食文化にしておくのはもったいない!」とパッケージに丸山さんのちくわぶ料理の写真とのそのレシピへのQRコードを印刷することで、おでん以外のちくわぶの食べ方・魅力を発信。いわて屋(神奈川県横須賀市) は原材料への強いこだわりをPR。北海道産小麦を 100%使用したちくわぶや1等級以上のグレードの小麦粉を使用したちくわぶ、厳選した小麦を独自の配合でブレンドして使用したちくわぶ…等々、理想の食感・風味を求めて配合や製法を工夫しているそうです。
(株)タカトーの佐藤登さん。
パッケージ刷新でおでん以外の
ちくわぶの世界を知ってもらう試み。
いわて屋の若き社長・上野翔一さん。
原材料へのこだわりと
賞品ラインナップが自慢。
阿部善商店(宮城県塩釜市) は おでん材料や水産練り製品の製造・販売を行っている会社。やはり東京近郊でしか食べられていないちくわぶを全国の人に知ってもらおうと、東京北区赤羽にある創業 80年の老舗ちくわぶメーカー・川口屋との共同開発で、東京土産になるような高級仕様の 「東京ちくわぶ」 を商品化。国産小麦を使い、塩も石垣産天然塩を使用。丸山さんが出演した 『マツコの知らない世界』 でも紹介され、マツコさんから 「キングオブもっちり」の称号を獲得するなどプレミアム感溢れるちくわぶとなっています。東北の会社がなぜ関東ローカル食材の作っているのかといえば…、
阿部善商店の山岸進さん(東京出身)
山岸さん
「私が東京出身でちくわぶが大好きでして、社内の反対を押し切って商品化しました!」
だそうです。(素晴らしきちくわぶ愛!)
阿部善商店 が川口屋と共同開発した
高級仕様の「東京ちくわぶ」
ちくわぶメーカーが色々あるのは分かったのですが 「どれもそんなに大差ないでしょ?」 なんて思っていませんか? 実は私もこの時点で私もそう思っていました。…が、この後に行われた メーカー別ちくわぶ食べ比べ で、それは見事に覆されます。メーカーによって大きく異なる、そう! ちゃんと個性があるんです!
(next:人生初!ちくわぶを食べ比べ)