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【 イベントレポート 】

多田将 presents 「『兵器の科学1 ・弾道弾』出版記念イベント」ライブレポート(20.11/14開催)

2021年03月16日

 

『兵器の科学シリーズ』はこんな本!

 

世間一般にはマニアックとされるミリタリー関連の書籍ですが、それでも大きな書店に行けば専門の売場が設けられるぐらい色々な本が出ています。それらをジャンル分けしていくと、戦記・戦史モノや人物像や軍事情勢に触れたモノが主流で、”兵器” に関する本はまだまだ少なく、あっても写真集のようなもの止まりで、技術的な解説まで載っている本はごく少数だそうです。

多田さん
「しかも、その数少ない技術的・科学的に解説をしていると謳っている本も、いざ開いてみるとなんとグラフの一つも載っていない! 僕にはそれが信じられないんですね。」

そんなこんなで、このニッチで不完全な分野に一石を投じようというのが多田さんの新シリーズ本です。当初はごく入門レベルの内容のものを考えていたそうですが、

多田さん
「書いていくうちにどんどん長くなってしまって、最終的に予定の1.5倍を超えるブ厚い本(359頁)になっちゃいました!(笑)」

 

このボリュームである!(笑)
でもサクサクと読めてしまう。
まさに多田将マジック!

この通り分厚い本に

 

内容・難易度としては教科書と読み物の中間ぐらいの位置付けだそうですが、

多田さん
「それでも、これを1冊読んでマスターしていただければ日本で弾道弾に詳しい人の上位100傑に入れると思います!こう言っちゃナンですが、軍事ライターの人ですら結構分かっていなかったりしますからね!」

皆さん、この本を読んで軍事ライターを超えてしまいましょう!

 

さぁ、はじまりました!
イベントスタート!

 

ソーシャルディスタンス確保のため
座席数を50%に制限しての開催。
コロナ禍でも前売り完売と
相変わらずの多田さん人気です!

満員御礼

 

さて、シリーズ通しての主な特徴は以下の通り。

☆戦略・用兵の解説はしない

戦略・用兵に関する世の話題はファンの関心が高いそうですが、あえて兵器のメカニズムだけを取り扱っているそうです。

☆動作原理を技術的・科学的に解説する

これが最大の特徴! そのために

☆具体例を示しながら定量的に解説する
☆グラフも多数掲載する

多田さん
「当然グラフを書くための数式まで載せないと定量的に説明したことにならないのですが、数式は見るのも嫌という方もいますし、そもそも本文が縦書きなので数式が載せにくいという事情もありました。そこで良いアイデアを思いついたんです!」

☆数式は巻末の附録にまとめた

多田さん
「数式が嫌いな人は計算結果を示したグラフだけ見てもらえば良いし、やはり自分の手で計算しないと気が済まない人は附録まで読んで挑戦してみてください!」

☆系統的・網羅的に解説する

多田さん
「以前出版した『核兵器』という本の読者レビュー欄に『こんなことは論文を探せば載っている』と書いて低評価を付けてきた人がいたんですね。それに対する僕の答えは『はい、その通りです』と。今回の『弾道弾』の内容も論文や文献をくまなく探せばどこかには載っています。でも、それを1冊にまとめた本がなかった、体系的に学べるように編まれた本がなかったんです。僕自身がそういう本が欲しかったし、読みたかった! ないなら自分で書いてしまおうというのが今回のシリーズを執筆するモチベーションになっています。」

☆略語は極力使わない

最近はマスコミを中心に キーワード主義 が蔓延していると多田さんは警鐘を鳴らします。基礎的な知識や基本的な考え方を見つけないまま結論だけを求める傾向が強く、本質を理解しないまま無闇矢鱈に専門用語を使いたがる人があまりにも多いと言います。例えば、2020年の上半期はテレビをつければニュース番組やワイドショ、情報番組で「PCR(polymerase chain reaction)」という言葉が飛び交っていました。

多田さん
「コメンテーターがしきりに『PCR検査』をやれやれと言っているのですが、PCRが何の略で、どんな仕組みの検査なのかを分かっていないまま『PCR、PCR…!』と連呼しているんですね。そして、いつのまにかその番組を見た一般視聴者まで『PCR、PCR…!』と言い出す。もちろん一般視聴者が『PCR検査』に詳しい必要なんて全くないのですが、知らないのであれば黙っていればいいものを、なぜか使いたがるんですよね。」

確かに…。

多田さん
「僕はそういうのが大嫌いなんです! だからこの本では略語は使っていません。ICBMと書くのではなく、文字数が多くなっても、ちゃんと『大陸間弾道ミサイル(intercontinental ballistic missile)』と書いてあります。」

 

このシリーズ本ならではの
特徴を紹介する多田さん

本の特徴を紹介する多田さん

 

さらにもう一歩踏み込んで本の特徴を紹介するなら、読者自身が興味を持った箇所をさらに深く学んでいけるような工夫がされています。まず入手しやすい 推薦図書 が掲載されていること。同人誌までカバーしているあたりはさすが多田さん! そして、必ず ”原語” で技術が記載されています。

多田さん
「この本は入門書なので、これだけを読んで終わりではなく、できることなら読者の皆さんにも、ご自身でググってほしいんですね。その際、一番ダメなググり方は日本のモノじゃないのに日本語でググること、これ最悪です!(笑) 僕のこの本では、例えばロシアの軍事技術ならロシア語でその名称を載せてあります。原語でググればいくらでも情報は出てきます。もちろん間違った情報も一緒に検索に引っ掛かる場合もあるので選別は必要ですが、自分でググる習慣をぜひ身につけてもらいたいと思っています!」

そして何より多田さんが大事にしているのは

”読者と一緒に学ぶ姿勢”

とのこと!

…ということで、多田さんと一緒に出来たてホヤホヤの本を紐解いて、『弾道弾』 について学んでいきました。

 

こちらが目次になります!
(クリック or タップで拡大)
目次の紹介

 

では、1章から順を追って見ていきましょう。

 

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