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【 イベントレポート 】

【 6/26(土)T2ナイト開催!】『弱虫ペダル・渡辺航のペダルナイトONLINE 3 ~ MTB(マウンテンバイク)編と坂道3年目スタートについて語るよナイト!~ゴルフや海水浴、レースをしていたOB達についても語るよ!!~ 」ライブレポート(21.04/10開催)

2021年06月24日

さて、前置きが長くなりましたが、いよいよテーマトークへ!

今回は「マウンテンバイク編」「3年目のスタート」について、航先生がたっぷりと語ってくれました。要所要所ではコミックスを開いて該当ページを書画カメラで映しながらの 読み語りライブ も披露。作者本人だから為せる業なのか、本当に目の前でキャラクターが動いているかのような臨場感がありました。航先生自身も進化していてキャラクターのセリフはもちろん、効果音の表現まで上手くなっていて ”漫画活弁士” と呼べる域に達しています。

そして、今回もサービス精神旺盛な航先生は 「描きたかったけれど色々なセレクションに漏れて盛り込めなかった」という場面・内容・設定については、「いつか描きます!」「待っていてください!」と次々と宣言! 自分自身にドンドン 宿題 を課してしまうという(驚)。これには秋田書店の関係者も苦笑い。実際のところファンが見たいシーンや知りたい事柄は、航先生自身にとっても見たいシーンであり、またハッキリさせたい事柄でもあるとのこと。すぐに実現するものものあれば、何年も時間を要するものまで様々ですが、数多の宿題は常に頭のどこかに置いてあるそうで「チャンスがあれば描くようにしている(航先生)」とのこと。これまでの宿題の達成率も非常に高いので期待が膨らみます。

 


 

MTB編トークコーナー

 

◆ MTB編を始めたきっかけは?

航先生
「2年目のインターハイが決着し表彰式も終わって、編集さんと『このあと何をしましょうか?』という話をしていたんですね。最後の決戦でドッと疲れたというか、僕もすごい集中して神経を研ぎ澄まして描いていましたし、それって恐らく読者の皆さんも同じような心境だったのではないかと。そこでホッと一息つけるような休憩のターンを入れましょうということになって、坂道が何か別のスポーツを体験するような話を軽く挟めないかと検討していました。」

なんと当初は 「アヤちゃん(橘綾)が坂道をテニスに誘って一緒にテニスをする」 というプランが浮上していたとか。71巻にチラッと出てきた ”アヤちゃんが『感動のお礼にあいつ(坂道)をテニスに誘う』” という事案が本当に実行されていたかもしれないと明かされ、にわかにざわつくニコ生のコメント(笑)。

航先生
「そんな時、編集さんが 『どうせ違うスポーツをやるのならシクロクロスとかどうですか?と提案してきたんです。面白い案だとは思ったのですが、シクロクロスの自転車ってパッと見の形状がロードバイクと大差ないので一般の人には違いがなかなか伝わらない思いました。それだったら 『マウンテンバイクのほうがいいよね』と。マウンテンバイクならハンドルが一直線だったり、サスペンションが付いているとか、タイヤが太いとか、フレームが頑丈そうとか、特徴が一目分かるので…。」

 

MTB編が始まった経緯を語る
マウンテンバイク編は誕生秘話を語る

 

航先生は実はずっと「マウンテンバイクを描いてみたい」という想いを持っていたそうです。期せずしてそのチャンスが巡ってきたワケです。

航先生
「いや、それでもペダルの世界でマウンテンバイクに触れるのはやっぱり難しいかなと感じていました。でも、ふと ”旧道” という概念が頭に思い浮かんだんです。マウンテンバイク、夏休み、(峰ヶ山の)旧道…。この3本柱があればなんとかイケるかもしれないという前向きな気持ちになれたんですね。」

かくしてマウンテンバイク編の連載が決定!

航先生
「マウンテンバイク編をやると決まって最初の打ち合わせでは、坂道が自転車を寒咲自転車店にメンテナンスに出し、その代車として貸し出されたマウンテンバイクに乗って衝撃を受けるという導入を考えていました。でも『弱虫ペダル』において新しい世界を描く際には、必ずキャラクターを紐づけるということをずっとしてきたんです。」

つまり、マウンテンバイクの世界を描くのなら、まず必要なのはキャラクター。そこで誕生&登場したのが 雉弓射 でした。

 

坂道が峰ヶ山の旧道で
雉、そしてMTBと出会う。

(その場面を航先生が読み語り)
坂道が雉&MTBと出会う

 

◆ 予定と変わっていったことは?

もし坂道がアヤちゃんとのテニスをした場合は、長くて2話程度と考えていたそうです。…が、マウンテンバイクを描くことになった。

航先生
「マウンテンバイクの世界はすごく広いので、とてもじゃないけど2話では終わらない。とりあえず坂道がマウンテンバイクで峰ヶ山の頂上に辿り着くところまでやりましょうということになりました。でも編集さんとの打ち合わせの中で『せっかくなのでレース行ってみます!? やっちゃいます!?』というような雰囲気になって…。」

結果、マウンテンバイクの ”レース” も描くことに!

航先生が独自に調べた限りでは、日本の漫画界でマウンテンバイクのレースを題材にしたものは他に見つからなかったそうです。つまり ”日本初めて= 世界で初めて”マウンテンバイクレースの漫画 がここに誕生したことになります。

 

坂道がマウンテンバイクの
レース会場に到着!
MTBレース会場を訪れた坂道

 

上の赤丸部分、ホイール2つを向かい合わせて立てかけている様子(マウンテンバイクはタイヤ同士のグリップが効くのでこのようなことが可能)などは、実際のマウンテンバイクのレース会場に行くとよく見られる光景だそうです。また、

 

前のサスペンションが
左側1本しかないバイクも紹介!
(CannondaleのLefty)
マウンテンバイクの世界を基礎から紹介

 

このようにマウンテンバイクならではの世界観をきっちり描き出してくれているので、マウンテンバイクの知識を持ち合わせない人でもその世界に没入できます。

 

スタートの火蓋が切られたその瞬間、
漫画の世界に新たな歴史を刻まれた。
世界初のMTBレース漫画が誕生!

世界初のMTBレース漫画

 

航先生
「僕もセルフディスカバリーアドベンチャー・イン・王滝というマウンテンバイクのレースにいつも出ているので、こうしてレース場面を描き始めたら凄く気持ちがノリましたね。」

 

◆ 雉弓射について

マウンテンバイクの世界に紐づけて誕生したキャラクター・雉弓射。

航先生
「マウンバイクの世界を牽引する人物というイメージです。マウンテンバイクならではの技を見せてくれたり、マウンテンバイクの楽しさや面白さ、時に厳しさまで裏表なく教えてくれる、そんなキャラ付けを行いました。名前については最初に『雉』というワードが頭に浮んできちゃったんですよね。なんとなく鳥の名前を付けたかったんです。」

ネームを描きながら「雉谷(きじたに/きじや)」などと苗字を色々考えたそうですが、

航先生
「結局どれもしっくりこなかったので、じゃあ単に漢字一文字で 『雉』にしようと。」

下の名前「弓射」については諸説あるようですが、ここでも鳥の名前由来でニュージーランドの国鳥・キウイがかかっているのではという深読みをする人も…!?!?

ちなみに航先生はキャラクターのイメージを固めた上で、それに見合った名前を後付けしていくそうです。

横山店長
「逆に名前が先でキャラクターが後から作られたというケースってあるんですか?」

航先生
「段竹(竜包)と鏑木(一差)ぐらいですかね。彼らは例外的に名前が先に決まっていた感じですね。」

横山店長
「なるほど。名前が先に決まっていたキャラクターも実在するんですね!!」

まだ前半序盤ですが、どんどんレア情報が飛び出します。

 

雉くんのあれやこれを語る航先生
雉弓射について徹底トーク

 

◆ 雷音、鈴音、壱藤について

航先生
「いざマウンテンバイクのレースやりますとなった時に、坂道くんは初めてマウンテンバイクのレースを観るので、誰か ”説明役” が必要だなと思いました。」

航先生の当初のアイデアはマウンテンバイクの会場によく現れるというバズーカみたいな立派なレンズを携えたカメラおじさんにその役割を任せるというもの。マウンテンバイクは大自然が舞台で、飛んだり跳ねたり動きも立体的なので、写真家にとっては非常に良い絵が撮れる絶好の被写体なのだそうです。

横山店長
「レース会場に行くとそういうカメラおじさんって実際に沢山いるってことですか?」

航先生
「います!います! 彼らは凄く積極的でマウンテンバイクの話を色々聞かせてくれるので適任だと思いました。ところが編集さんの顔がみるみる曇ってしまった。『なんでおじさんなんだ!漫画的な撮れ高がないだろ!』と言いたげな顔をしてましたね(苦笑)」

横山店長
「編集さんの気持ちも分からないでもないです(笑)」

航先生
「マウンテンバイクのレースを描く以上はちゃんと見せたいという想いがありました。カメラおじさんがダメならどうしようかなと思っていた時に、雉と優勝を争う 吉丸雷音 が登場して、さらに妹の 鈴音ちゃん が出てきたです。」

マウンテンバイクのレースはロードレースとは違って完全に ”個” の戦い。同じコースを周回しますが、定められたピット以外では修理を行ったり、飲み水のボトルを受け取ったりできないルールが定められているそうです。鈴音はピットにいて兄・雷音を助ける重要な役割を担う人…。この設定によって坂道は鈴音からマウンテンバイクのレースのいろはを教えてもらえることが可能になりました。

航先生
「おかげで編集さんの曇った顔も晴れてきました!(笑)」

 

吉丸兄妹が登場!
鈴音はペダルでは非常に珍しい
長尺で登場する女の子キャラクター。

雷音&鈴音

 

そして、初心者レースで坂道と戦った 壱藤 について。

航先生
「壱藤は『フォウ!!フォウ!!』とよく言っているのですが、雉くんの『ヨン』を数字のに見立ててそれを英語にすると Four だから『フォウ』なんですかという質問が沢山寄せられたという話を先ほど聞きました。」

横山店長
「はい、いっぱい来ていました!」

航先生
「劇中では最後まで明かせなかったのですが、それ ”的中” です!」

横山店長
「あっ、やっぱりそうなんですね!? 当たった方おめでとうございます!!」

実際、雉をリスペクトしている壱藤が「雉さんがヨンなら俺は英語でフォウで行くぜ!」と語るくだりを入れる準備はしていたそうです。最終的に他の事項との兼ね合いや優先順位などもあって物語に差し込むことはできなかったそうですが、こういった裏設定の話が聞けるのもペダルナイトの醍醐味でしょう。

 

その手に果実を!壱藤丹貴(右)
吉丸兄妹と壱藤

 

◆ 今後の展開について

気になるマウンテンバイク編の今後ですが、航先生としては(実際にできるかどうかは別にして)「続きをやりたい!」との想いは強いそうです。長い目で続編または新展開に期待したいと思います。

 

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