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【 イベントレポート 】

【次回開催 4/17】水族館プロデューサ中村元 presents 『中村元超水族館ナイト2021秋 vol.40 〜過激に水族館展示論ライブひとり〜』ライブレポート(21.10/17開催)

2022年04月13日

■ 中村さんにとって超水族館ナイトとは

中村さん
「今、言ったように、水族館に来るお客さんの多くは魚そのものを見に来ているワケではありません。ところが水族館側の…特に館長や飼育部長といった人たちは ”さかなクン” がそのまま大人になったような人ばかりで、『水族館に魚を見に来ないで何を見に来るんだ?』と思っているのね。」

中村さんが水族館プロデューサーとして呼ばれた時、まずその大きな認識の違いを正していかなくてはなりません。

中村さん
「考え方を変えてもらおう、僕の言ってることを分かってもらおうと、ちょっとずつ説得していくんやけど、この超水族館ナイトを続けていて、みなさんの反応を見ていたら『オレの考えが絶対に正しい!』という確信を得ました。これは超水族館ナイトの僕に対する凄くありがたいギフトなんです。それと皆さんの反応一つで『あっ、この考え方はダメだったかも!?』と気づくことができたり、僕の貴重な勉強の資源にもなっています。」

超水族館ナイトでは開演前や途中休憩の時間に、中村さんが客席の合間を歩いて会話している光景をよく見かけます。

テリーP
「確かによく客席を回ってますね。ディナーショーみたいに(笑)」

中村さん
「うん。でも僕は別にアイドルじゃないから、ファンサービスで行けば喜んでくれると思って客席を回っているワケではないんです。あれは僕自身がネタを探しに行っているのね。みなさんと話をすることで、最近の考え方とか、どんなことが求められているんだろうとか、色々なことが分かってくる。」

 

超水族館ナイトは中村さん自身にとっても
学びや気づきの場となっている。

中村さんにとって超水族館ナイトとは

 

超水族館ナイトが始まる以前は、カスタマーズ起点の展示開発を推進するために、中村さんは水族館に来場したお客さんの行動調査(ストーキング調査)を繰り返し、お客さんの ”気持ち” を積み重ねてきたそうです。

中村さん
「それが超水族館ナイトを始めたことによって直接的に話を聞くこともできるようになった。これは僕にとって凄く大きなこと。」

テリーP
「なるほど。でも僕が見ている感じでは、お客さんはお客さんで中村さんに色々と喋りたくて仕方ない様子に見えますよ!」

中村さん
「じゃあ、トークしないでずっと客席を回っていようか!?」

テリーP
「徘徊ナイト!? もうちょっとしたら本当に徘徊するようになるかもしれないですよ!」

客席:(笑)

カルカルにとっても『超水族館ナイト』は大事なイベントの一つ。…というのも、カルカルが2007年のオープン(お台場)、超水族館ナイトが2008年のスタート。カルカルと超水族館ナイトは歴史を共有してきたと言っても過言ではありません。

テリ-P
「カルカル初期の時代に、僕にとって専門的で深堀したトークショーをやれたのはこの超水族館ナイトが最初でした。それが今も続いているのは感慨深いですね。」

 

”カルカルの歴史=超水族館ナイトの歴史”
カルカル初期(当時お台場に所在)の
思い出を語るテリーP。

超水族館ナイトの歴史を語る

 

そんなこんなで『超水族館ナイト』の歴史が紡がれてきたわけですが、7~8年前だったでしょうか、中村さんが「超水族館ナイトを 50回はやりたい!」と宣言してくれました。あの時は 50回なんて気の遠くなるような数字に感じましたが、気づけばあと10回! 見えてきましたね。(その先も!)

 


 

【 第1部より 】

 

さて、今回のトークテーマは ”展示論”です。第1部(前半の部)では、中村さんの展示論をしっかり学ぶための下準備をしていきます。

■ 良い展示とは

博物館の世界において非常に有名な言葉があるそうです。それは 『展示物は情報である』 というもの。例えば縄文土器を単にポンと置いただけでは「今にも倒れそうな野暮ったい器」程度の印象しか与えることができないかもしれません。

中村さん
「でもそこに『昔の人はこれを地面に埋めて火で煮炊きをしていた(よく見るとその煤も残っている)』とか、『そもそもこれが縄文土器と呼ばれるのは縒った紐のようなもので文様が付けられているからだ』とか、色々なことを一緒に伝えてあげる。そうすることでそれを見た人が『へぇ、たいそうなものが残っているんだなぁ!』と感心したり、当時の生活風景を思い浮べたりして、新たな情報がガンガン入ってくるようになる。それが ”展示物は情報だ” という意味です。」

テリーP
「なるほど。ちゃんと背景があって展示物として成り立つんですね。」

水族館の展示も当然そうあるべきなのですが、古いタイプの学芸員に多く見られるケースとして、

中村さん
「水槽内の生き物のことをお客さんに詳しく(理科)教育できるのが良い展示なんだと言って、水槽の周りにビッシリと解説文を貼り付けてしまう。ところが、その解説板はお客さんに全くと言っていいほど読まれていません!」

これは水族館を訪れたお客さんの行動調査から明らかとなっています。それどころか、中村さんが壇上から挙手によるアンケートをとったところ、この日、超水族館ナイトにリアル参加していた人たち(全国各地の水族館を巡りに巡っているヘビーユーザーも多数)ですら水族館に設置された解説板は殆ど読んでいませんでした。

中村さん
「魚名板はチラっと見る人はいます。可愛い魚や特徴ある魚の名前をその場だけちょこっと知りたいのね。その魚がユリウツボかトラウツボかはどうでも良くて『ウツボなんだ』ということが分かればそれで十分なんです。魚の名前が分かったところで次の水槽に行ったら多分もう忘れている(笑)。水槽の掲示物なんてその程度でしか見られていません。」

 

水族館の解説は全く読まれていない。
「展示とは」からトークを展開

 

このケースで問題なのは、水槽に添えた解説文で ”情報” を与えようとしているのに、それが全く読まれていないという事実。つまり、展示物として必要な要素が欠損しているということになります。

中村さん
「だから僕は解説板なんて邪魔だから外せと言っています。その分もっと水槽を見やすくした方が良い。すると、古いタイプの学芸員は『いや、中村さん、展示物は情報なんですよ!』って言い返してくるんやけど…知っとるわ! 彼らの作った解説文ありきの水槽はもはや展示物じゃないです!読まれない解説はただのデータと言います。 」

 

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