二夜連続開催!短編アニメーション上映&アーティストトークイベント「アニとーく」 1日目&2日目ライブレポート(10.7/14&7.15開催)
2010年07月24日
日本が世界に誇るカルチャーといえば、アニメ。
ただ、一口にアニメと言っても、萌え系やジブリや漫画原作のアニメなど様々な種類があります。
今回のイベントでは、そんな数あるアニメの中から、
世界で高く評価されているのに、日本ではまだあまり知られていないアニメに注目。
メジャー路線とはちょっと違うアニメーション作家の方を、
“じゃないほうアニメーション作家”と名づけ、
知られざるアニメーションの世界を2日間にわたり語っていただきました。
トーク開始前に出演者の作品を上映。写真は大山慶さんの『HAND SOAP』のワンシーン。
司会はアニメーション作家の水江未来さん(左)とカルチャーカルチャープロデューサーのテリー植田さん(右)。
1日目の出演者たち。田中美妃さん(左手前)、北村愛子さん(中央)、銀木沙織さん(右手前)、
和田淳さん(左奥)、大山慶さん(右奥)。
国際アニメーションフェスティバルの実態
『アニとーく』1日目は、国際アニメーションフェスティバルの知られざる世界についてトーク。
アニメーションの世界では、ザグレブ、アヌシー、オタワ、広島で行なわれるアニメーションフェスティバルを、
世界四大アニメーションフェスティバルと位置づけています。
今回はそんなアニメーションフェスティバルの中から、
ザグレブとアヌシーのアニメーションフェスティバルを紹介していただきました。
ザグレブ国際アニメーションフェスティバル
クロアチアの首都、ザグレブで1972年から開催されている『ザグレブ国際アニメーションフェスティバル』。
奇数年に長編、偶数年に短編を上映し、過去には手塚治虫さんの作品がグランプリを獲得したこともあります。
今回のイベント出演者のほとんどが、今年の『ザグレブ国際アニメーションフェスティバル』に作品がノミネートされました。
そしてなんと! 田中さんは、学生部門スペシャル・メンションを受賞!
今後の活躍が期待されます。
一般部門と学生部門では、扱いが全然違うらしいです。
こちらが一般部門エントリー者の部屋。フカフカそうなベッドもありキレイです。
アヌシー国際アニメーションフェスティバル
『ザグレブ国際アニメーションフェスティバル』の翌日から開催されるのが、
『アヌシー国際アニメーションフェスティバル』。
世界最古のアニメーションフェスティバルで、今年50周年を迎えました。
カンヌ映画祭のアニメーション部門から独立した、
世界最大規模のアニメーションフェスティバルです。
近年、日本人では加藤久仁生さんの『つみきのいえ』がグランプリに輝きました。
このフェスティバルでは、お客さんがチラシなどで紙飛行機を作って飛ばす習慣があるんだとか。
また、作品にうさぎが出てくると、なぜかお客さんは
「うさぎー!!」
と叫ぶそうです。
『アニとーく』1日目は、水江未来さんの誕生日でした。なので、サプライズケーキでお祝い。
アニメーションの作り方
『アニとーく』2日目は、どのようにアニメーションが作られるのかをうかがいました。
司会は1日目と同じく、アニメーション作家の水江未来さんとカルチャーカルチャープロデューサーのテリー植田さんが担当。
『アニとーく』2日目前半の出演者たち。左から橋本新さん、加藤隆さん、中田彩郁さん。
では、実際中田さんの制作過程を見ていきましょう。
中田さんが普段使っている仕事道具。
文房具屋で売っているような普通のボールペンや鉛筆です。
他の出演者も、だいたい同じような作業工程だそうです。
アニメーション作家の方は、なぜか無印良品のノートを愛用する人が多いんだとか。
イベント後半は、新たに4人のアニメーション作家が登場。
左から植草航さん、青木純さん、横田将士さん、タナカウサギさん。
4人の中で、青木さんと横田さんは少し変わったアニメーションを制作しました。
青木さんは、立体模型を使ったアニメーションを制作。
細かい部分まで基本的には手作り。しかしたまに食玩も使うそうです。
青木さんの作品『コタツネコ』。照明で作品の雰囲気が変わるそうです。
横田さんは、絵を描くのが苦手なんだとか。
なので、写真を切り抜いてアニメーションを制作。
1作品につき3000枚くらい写真を切り抜くそうで、
大学の卒業作品の制作中は、正月もひたすら写真を切っていたそうです。
ベルギーはアニメの国?
『アニとーく』1日目と2日目の両日、
ベルギー観光局ワロン・ブリュッセル日本支局局長の
ダミアン・ドームさんが特別ゲストとして登場しました。
日本でもアニメ化された『タンタン』は、実はベルギー生まれの作品なんです。
そんなベルギーのアニメやアートを2日間にわたり紹介していただきました。
知られざるアニメーションの世界を知ることが出来た今回のイベント。
初めて見る独特のアニメの数々に、度肝を抜かされました。
“じゃないほうアニメ”が、“じゃないほう”と呼ばれなくなるくらい、
メジャーになることを願っています。
(ライター・たまに大阪)