『駄目な文房具ナイトEX~集まれ!文房具超人サミット!』ライブレポート:消しゴム、色鉛筆、電卓・・・ニコ生でも3万5千人視聴された超満爆笑怪物イベント(11.7/30開催)
2011年08月15日
カルカルの超人気イベントとしてすっかり定着した『駄目な文房具ナイト』。
色モノ文具コレクター=きだてたく、TVチャンピオン文具王=高畑正幸、
文具メーカー勤務のご意見番=他故壁氏の3人組(通称ブング・ジャム)が
国内外の「駄目な文具」を紹介し、カルカルを爆笑の渦に巻き込んできた。
その3人が一転”聞き役”に回る!?
今回は『集まれ!文房具超人サミット!!』と題して
3人の神レベルのコレクターをゲストに招聘。
消しゴムマニア超人によるひたすら珍奇な消しゴム紹介や、
計算機フリーク超人の放つ”変な”計算機特集、
そして鉛筆コレクター超人の色々とヤバイ鉛筆の暴露話等々、
特定分野の”超人”だからこそ語れるネタが満載!
駄目な文房具ナイトは新たな驚きと衝撃に包まれることとなった。
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《イベント限定メニュー》
カルカル名物のイベント限定メニュー。
この日は「文房具超人メニュー」として3品が考案された。
カクテル2種=「赤青鉛筆(左)」と「消しゴム(右)」。
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はじまりました。
ブング・ジャム=左から他故壁氏、きだてたく、高畑正幸。(※)
※敬称略
【1.駄目な文房具とは】
今回はニコ生の中継もあり、
初めて「駄目な文房具」に触れる方も多いと思われる。
そこで、まず「駄目な文房具とは何か?」を
実例を示しながら解説するところからイベントはスタート。
きだて氏による”駄目な文房具の定義”は次の通り。
1)学校に持って行くと即没収となる文具
2)会社に持って行くと社会人としてアウトな文具
それではいくつか実例を見ていきたい。
本のページの角を折って栞代わりにするドッグイアという言葉があるが
「別に人間の耳でもいいじゃん!」という発想で作られた商品がコレ。
きだて氏がこれを作ったデザイナーさんに話を聞いたところ
どうやらデザイナーさんの奥さんの耳がモデルになっているらしい。
同様のシリーズで「舌ふせん」なる商品も売られているが、
それもやはりデザイナーさんの奥さんの舌がモデルとなっている。
見た目の不気味さに加えて、他所の奥さんの切り売りパーツ…。
これを会社で使っていたら普通に「アウト!」です。
赤いボタンを押すとロケット(ボールペン)が
尋常ではない勢いで真上に高々と打ち上がるガジェット。
ひとたび発射台にセットしてしまうと打ち上げない限りは
絶対に外すことができない構造となっている。
肝心のボールペンはロケットの根元の部分についているので
ボールペンとして使う為には毎回打ち上げが不可避となる。
やはり会社で使っていたら即アウトとなる。
「遊んでいるんじゃない!」と怒鳴られること必至。
もっとも、落ちてくるロケットをカッコ良くキャッチできれば
逆に”できるサラリーマン”をアピールできるかもしれないが…。
(きだて氏はキャッチに見事に失敗していた)
トミーが昔作っていたという玩具系ボールペン。
以下のように変形させて遊ぶことができる。
これも学校で見つかったら「即没収!」という文具の典型例。
それから、少し変化球なネタで次のような文具もある。
これは「カスタマイズステーション」というシリーズの文具で
パーツを全て集めて合体させていくと
最終的に何らかの形(この場合は銃)になるというシステム。
各パーツはガチャガチャで提供されおり(1パーツ1ガチャ)
それを購入して組み立ていく。
しかし、セロハンテープ(左下)のように
コスト高と思われるパーツは相対的に数が少ないのか
ガチャガチャを回してもでなかなか出てこないらしい。
きだて氏は全部揃えるのに7000円も投資したとか。
きだて氏絶叫
「ガチャガチャほぼ空にしてやったわ!!」
ところで、きだて氏が言うには
この文具の本当に駄目なところは本体ではなく
むしろ「説明書の方にある!」とのこと。
どの辺りがダメかというと…
謎の美形教師・カスタマイズ先生
「よく学び よくカスタマイズしたまえ」
ツッコミどころ>>
・この人物を美形教師と言い張れる精神力
・バランスボールに乗っている???
・左手に持っているのはヨーヨー???
・鉛筆を指に立てているのは何の意味が???
本体そのもの駄目さ加減だけでなく
パッケージや説明書の”駄目ポイント”を探し愛でるのも
駄目文具を堪能する大切な姿勢と言える。
そしてもう一つ、過去の駄目な文房具ナイトで
何度も紹介されてきた超鉄板ネタを
ここでやはり紹介しておく必要があるだろう。
削りカスは口から吐き出す…。
ニコ生でこんな映像を流して良いのだろうか…!?(汗)
この日初めて駄目な文房具ナイトに来たお客さんには
幾分刺激が強すぎたのかカルカルの客席が
”ざわざわ”とした不穏な雰囲気に包まれていた。
以上、見てきたように「駄目な文房具」とは
要するにツッコミどころ満載なネタ文具のことである。
きだて氏は今回この他に
・「スーベニア・ジャポン」、
・「世界の国からスーベニア」
と題した国内外の『お土産駄目文具』を紹介する
2本のプレゼンも行ってくれました。
きだて氏が言うにはお土産は駄目文具の宝庫だそうで
特に面白いのは「パンチボールペン」とのこと。
ボタンを押すと腕がグイッと伸びてパンチを繰り出すガジェット。
これは日本発祥の文具であるらしいのだが、
なぜか世界中に広まっていて、特にアジア圏に旅行に行くと
お土産屋さんに大量に売られているらしい。
そして、その中には駄目文具が非常に数多く潜んでいる…と。
きだて氏
「皆さんも、もし旅行(特に海外旅行)に行く際は
是非パンチボールペンを探してみてください!」
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駄目な文房具の基礎を学んだところで
いよいよ今回のメインテーマに入る。
冒頭に記したように、今回は消しゴム、計算機、鉛筆、
それぞれ分野の凄いコレクター(超人)をゲストに迎えて、
その膨大なコレクションの中から珍品奇品を中心に
スライドで紹介してもらう形でイベントは進行していく。
…というワケで、トップバッターの登場。
【2.消しゴム超人=ケシマニさん】
ケシマニさんは最近結婚されたばかりということで
プレゼンに先立ってブング・ジャムの3人から
お祝いのプレゼントが送られました。
ご結婚おめでとうございます!
では、肝心のプレゼンへ。
和テイストな消しゴムや
夏っぽい消しゴムのコレクションの紹介。
夏→肝試し&ホラー ということで「妖怪消しゴム」。
これもホラーネタで「フランケン消しゴム」(外装はプラスチック)
見た目は非常に良くできているが、
実際にはゴム同士なので摩擦が強すぎてうまく遊べない。
合羽橋の食品サンプルには及ばないものの
それなりにリアルに出来ていて且つ安価で求めやすいせいか
外国人観光客のお土産として極めて人気が高いらしい。
ところでケシマニさんは某文具メーカーS社で
消しゴムの商品企画・開発をやっていたそうです。
(天職過ぎて羨ましい…)
そのケシマニさんが担当した自信作がこちら(↓)。
図鑑の外箱(ケース)を外すと…
これは本当に良くできていると思う。
私もスライドを見た瞬間に欲しくなりました。
ケシマニさんはこの他にも「昭和な消しゴム」と題して
…などを紹介してくれました。
カセットテープの消しゴムには
「46分、メタルポジション」などと書かれていて
なんだかとても懐かしい気分になった。
そして、最後に「進化する消しゴム」!
猿の側から使っていけば徐々にヒトへと進化していくし、
逆にヒトの方から使っていけば猿へと退化していく。
単純に形が面白いと言うだけでなく
このような緻密に計算されたハイセンスな消しゴムも存在していて
消しゴムの世界の奥深さを感じることができた。
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【2.電卓超人=藤村阿智さん】
続いての登壇は計算機フリーク超人の
このイベントのために4MB以上もあるFLASHを作製し
さらにロゴまで新しく作って来たというから無駄に凄い!
あまりに力作だったので紹介しておきたい(↓)。
メニュー画面を見て分かるように
藤村さんは電卓をいくつかのカテゴリに分類して
持ってきてくれました。
[かわいい・すてき編]
本体の方には「CHOC-U-LATOR」の文字。
”チョキュレーター”という読み方で良いのだろうか?
太陽電池部分も馴染んていて実にスイーツな出来栄え。
見た目の可愛さから部屋に飾っておきたくなる電卓。
藤倉さんコメント
「可愛いんですけど目のところにON/OFFボタンがあるので
使うたびに目をグリグリ押さなければならないのがちょっと…」
確かに。(笑)
昔、バンダイが出していた「Bコレクション」という電卓。
ボタンの位置を変えても表記されている数値がきちんと入力される。
鮮やかな配色のデザインも含めて何気にクオリティの高い逸品。
キャラクターモノの電卓はシールが貼ってあるだけだったり、
それらしい印刷が少し施してある程度のものが多いが、
「これは形からしてバーバパパな点が素晴らしい!」と藤村さん。
さりげなく顔を起こしてくれているおかげで程良い傾斜がついて
液晶画面が見やすくなっているという親切設計。
[音が鳴る編]
入力する度にタイプライターの「カシャ!」という音が鳴る。
計算結果を表示するために「=」を入力すると
ルパンのサブタイトルが表示された時のあの音楽が流れ
スリリングに答えを表示してくれる。
この電卓で計算を行うと毎回衝撃を味わえて楽しい。
そして、藤村さんが「最近手に入れた」という
とっておきの喋る電卓がコレ(↓)。
ボタンを押すと光希ちゃんの声で喋ってくれる。
同時に光希ちゃんの人形もコトコトと動き出す仕様。
藤村さん曰く(独り言のように)
「光希ちゃんが電卓を打ってくれている感じがイイんですよねぇ~。
光希ちゃんが打ってくれているんですよ~。うん…!」
(客席失笑爆笑)
光希ちゃんは数字の読み上げだけでなく
色々な言葉を喋ってくれるように作られているらしい。
しかし、ステージ上で喋ってくれた言葉は
「パーセントは!ゼロ!」とか、「頑張ろうね!ゼロ!」とか、
どれもなんだか良く分かりません。(苦笑)
でも、とても楽しい気分にさせてくれる素敵な電卓でした。
[光る編]
藤村さん強調
「音が出る、光るというのが特に私の心を揺さぶるんです!」
その気持ちは凄く分かる気がします。(笑)
[多機能編]
3つおり
Dentaku
Soroban MASHINE
個人的にこういうのは大好きです。
これは小学館の小学二年生の付録だそうで、
電卓とソロバンが付いている上にホワイトボードも装備。
筆記計算までできてしまうという超多機能複合マシン。
藤村さんの話によればDSが出たときにも小学館は
「Dentaku Soroban」という付録を出していたとのこと。
小学館、なかなかやるな…!!
ノートを取りながら計算できないというジレンマや
「ノートを使い終わったら電卓はどうするんだ?」
という疑問はあるものの、ノートに電卓が付いていたら
なんとなく嬉しくなってしまう。
[大きい編]
スライドの写真を見る限りは相当に大きい!
指を動かす範囲が広すぎるので
手だけでなく腕ごと動かさないとダメかもしれない。
藤村さんはこの電卓を使うと
「運動になってダイエットが出来る!」と主張する。
でも、電卓を打ち込む腕が鍛えられて
筋肉ムキムキになるだけのような気がしないでもない。
[入っている編]
中央のインテルのロゴが目立つ。
インテルは世界で初めてマイクロプロセッサを作った会社で
Embedded(組込み)向けのMPUも長く扱ってきているので
これは実際に「インテル入ってる!」な電卓だと思われる。
液晶画面の上には発電器が搭載されていて
20回程度振ると10分ほど電卓を使用することができるという
なんともエコな仕様となっている。
インテルの電卓には、この他にも
水を入れて発電させて使うタイプのものなどもあり、
ちょっと変わった電源を内蔵したがる傾向が見て取れる。
天変地異が起きて電気が使えなくなっても
「せめて計算は出来るように!」
と、以前から色々と考えていたのかもしれない。
さすがは世界のインテル。
藤村さん、まだまだ沢山のネタを
FLASHに詰め込んできてくれていたようなのですが
残念ながら時間の都合でここまでとなりました。
近い将来、是非、続きをお願いしたい。
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【3.鉛筆超人=赤青鉛筆さん】
赤青鉛筆さんは「古い鉛筆」を中心とした鉛筆コレクター。
特に”赤青鉛筆”が大好きで
勢いで余ってハンドルネームにもしてしまったとのこと。
まず基礎知識。
「古い鉛筆」とはどのようなものなのか?
昔の鉛筆は箱に入っているのではなく紐で束ねて、
帯紙(掛け紙)で包んだ形で売られることが多かった。
「幼年之友鉛筆」という何やら危険なネーミングが気になる…。
(単純にお子様向けの鉛筆という意味でした:笑)
昔の鉛筆の雰囲気がざっくり掴めたところで本ネタへ。
[やばい鉛筆]
まずはこちら(↓)をご覧頂きたい。
9000番という製図用の鉛筆。
恐らく戦前の時代のモノで
写真のあるように缶のケースに入れて売られていた。
その缶ケースに描かれている絵を拡大すると
この「鉛筆を持って戦う騎士の画」は
ファーバーのトレードマークとして現在も使用されている。
これを踏まえた上で、
赤青鉛筆さんのコレクションの中にあった
古いMADE IN JAPANな鉛筆を調べていくと…、
(※戦前なので時効です)
要するに日本メーカーが
パクったインスパイアされたというコト。
今となってはお隣の国にでも行かなければ
こういったモノはなかなか見かけなくなったが、
戦前まで遡れば日本も同じようなことをやっていた様子。
[黄色くてやばい鉛筆]
日本で黄色い鉛筆というと
消しゴムがついているタイプのモノが非常に多いらしい。
言われてみれば確かにそうかもしれません。
消しゴム付き鉛筆の元祖はMONGOLというブランドの鉛筆。
消しゴム付き鉛筆は日本でも大ヒットした商品。
そして、やはり赤青鉛筆さんのコレクションの中から
続々と模倣品が発見されたとのこと。
赤青鉛筆さんが確認しているだけでも5~6種類はあるらしい。
MONGOLの模倣品を探すことが
赤青鉛筆さんのここ最近のライフワークなのだそうです。
[国内的にやばい鉛筆]
これまでに紹介されてきたのは、明治~昭和初期の時代に
文明的に遅れていた日本が先進国である欧米のモノを
模倣したという話であるが、もう少し時代が進むと
日本国内という閉じた世界で模倣品が出回ることとなる。
ミツバチの形がやたらに不自然なのが気になる。
明らかに何かに似せようとした意図が汲み取れる。
[最高にやばい鉛筆]
ミツバチ鉛筆よりももっとやばい鉛筆もあるらしい。
赤青鉛筆さんが言うには「最上級にやばい」とのこと。
赤丸の部分を拡大すると…、、、
しかし、これを作った会社は
三菱鉛筆ともトンボ鉛筆とも何の関係もない。
昭和8~10年ぐらいモノらしいが
さすがにこれは裁判沙汰となったとのこと。
当然のようにインチキ三菱トンボは敗訴。
しかし、その僅か数年後に発売された色鉛筆が、、
もう何も言うまい…。
[怖い三角顔の鉛筆]
鉛筆にちょっと詳しい人ならすぐに察しがつくと思うが、
怖い三角顔とは要するにコーリン鉛筆のマークのコト。
赤青鉛筆さんによれば、
このコーリンのマークについて
コーリン鉛筆コレクターのkeroさんという方が
「三角顔の由来は美女の顔だ!」
という説を広めようとしているらしい。
keroさんがその証拠として提示した鉛筆がコレ(↓)。
美女かどうかは別にして女性に見えなくもない。
keroさんはこの物証を基に
「当時のコーリンの社長が海外視察をした時に
ひと目惚れをした女性がモデルになっている」
などと言う作り話(?)を周辺に語っているらしいのだが、
赤青鉛筆さんはその説を完全に否定している。
その論争に決着をつけるべく赤青鉛筆さんは
最終的に3万5000人を超えたニコ生視聴者の前で
コーリンのマークは「美女が発祥ではない」という証拠を
次々と提示して見せた。
そして、赤青鉛筆さんのコレクションの中で
最も古いと思われるコーリン鉛筆(昭和1桁年台)の
パッケージに描かれていた三角顔がコレ(↓)だったりする。
赤青鉛筆さんの結論
「コーリンのマークの三角顔は美女ではなくおっさん由来!」
これにて論争決着…!?
いや、それともkeroさんの反論&逆襲があるか?
今後の展開に注目したい。
…と、ここで次のスライドに入ろうとしたところで
残念ながら赤青鉛筆さんも時間切れとなってしまいました。
続きはまたの機会に。
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今回登場した3人の超人は時間の都合等で
用意してきたネタを全て紹介しきれず、
まだまだ大量のネタを抱えたまま
今回の超人サミット企画は閉幕となってしまいました。
まだまだ見たかった!もっともっと見たかった!
次回以降の駄目な文房具ナイトに於いて
何らかの形でその続きが見られることを期待したい。
(ライター・GAMA)