集え鉄道趣味者!オレ鉄ナイト2~鉄道をこうやって楽しんでます!~ライブレポート(2012.2/5開催)
2012年02月20日
ショートカット鉄、オブジェ鉄、社長公募鉄……。
鉄道の楽しみ方はまだまだある!
前回から4ヶ月、鉄道趣味者が自分の楽しみ方を語るニュータイプの鉄イベントがカルカルに帰ってきた!
今回の進行は武田保志さん(乗り鉄・車止標識好き、社長公募鉄)
小倉沙耶さん(鉄道アーティスト
)、オオゼキタクさん(ミュージシャン・乗り鉄・ショートカット鉄)
のお三方。
「社長公募にはこれからも挑戦します!」と武田さん。
次回はまた結果発表が聞けるかも?
そして今回も登場、木造駅のシャコちゃん。イベントのイメージキャラと言っても過言ではありません。
今回のプレゼンは、登壇の順に
小倉さん
江守敦史さん(メディアファクトリー編集)
磯部祥行さん(2回目)
ねぎとろさん
LEVEL7G(なな爺)さん
粒来さや香さん(株式会社スイッチ)
松ヒトシさん(2回目:前回は「オブジェ鉄」)
平野玲音さん(2回目)
草町義和さん(ライター/「鉄道ファン」など)
田ノ岡三郎さん(アコーディオン奏者)
以上10名の方々。
前回はUst中継を視聴していた小倉さん、
念願かなっての登壇です。
「古レール鉄」小倉沙耶さん
古レール=軌条としての役目を終えたレール。
その古レールの楽しみ方を語ってくれます。
古レールは駅の柱や線路境界の柵などに使われています。
確かにレールの形です。
日暮里駅のような錆び方はよく見かけますね。確かに儚い。
刻 印の読み方について解説。
製造年から製造者、発注者、更には製鋼炉までわかります。
’11年夏にひたちなか海浜鉄道で400本近くの古レールを調べたという小倉さん。
鉄道だけでなく製鉄・工場の領域にまで踏み込んでいます。
武田さん「世界史の勉強してるみたいです」
オオゼキさん「レール学ですね」
小倉さん「化石を掘ってるような感覚」→オオゼキさん「考古学?」
いきなり深い話連発でした。
「俺鉄」江守敦史
さん
メディアファクトリーで鉄道関連の書籍を編集している江守さん。
そんな鉄道旅行の道中に「自分撮り」を行うことで、旅の記憶がより鮮明に思い出せる。
鏡があればできます。
「俺鉄」の注意点としては、
・駅でやると傍からはカメラがあさっての方向を向いているように映るので、
盗撮と間違われないように!
だそうです。ここは重要!
元々は、撮影時に自分の姿が写り込んだミスから生まれたという「俺鉄」。
現在は、寝台列車/ミラー/ガラス/カゲと、様々な撮り方を編み出しています。
一人旅のおともに「俺鉄」、手軽にできそうですね。
「タイムライン鉄」磯部祥行
さん
前回、「地図と鉄道」をテーマに鉄道路線を立体的に見る楽しさを語ってくれた磯部さん。
今回は鉄道を時間軸で見ていこう、という試みです。
1872年(鉄道開通)~2012年の運営母体を表した年表。
車両の系譜、寿命を年表で表しています。
黒いラインが製造期間、グレーが運用期間です。
こちらはSLの製造・運用期間。SLの代名詞的存在といえるD51ですが、
実働期間だけで言えばもっと長い車種がありますね。
日本全国の鉄道網も時系列化。
開通と廃線の変遷がわかります。
磯部さん「レイヤーを重ねていく本を作りたい」
運営、車両、鉄道網が全部重なったもの、これは見ごたえありそうです。
「萌え鉄」ねぎとろさんさん(「ねぎとろさん」までがお名前です。勝手ながら以下敬称略)
萌えと鉄道、両方を愛するねぎとろさん。
萌え鉄=萌えと鉄道のコラボレーション。
現在の「萌え鉄」は以上の4つに大別されます。
今回は、痛電・痛きっぷを語ってくれました。
痛電・痛きっぷ一覧。各地でコラボが行われています。
特に「けいおん!」は日本各地でラッピング車両が走り、記念きっぷが販売されました。
京阪は全面ラッピング。力入ってます。
KTR北近畿タンゴ鉄道はボランティアのファンによるラッピングが施された仕様。
ここで小倉さんから「私は鉄道からけいおん!に入った」とコメント。
余談ながら、私ことニセ生物は原作から入りました。
やはり「愛が詰まっているかどうか」が大切というねぎとろさん。
「ロリ鉄」なな爺さん
いきなりインパクト抜群の三文字が提示されました。会場は騒然。
「ロリ鉄=未成線偏愛主義、鉄道趣味におけるロリコンです!」
「山の中に橋脚だけがある、その神秘性が良い。桁が掛かってしまってはもうダメなんです」
なな爺さんイチオシのロリ線(でいいんでしょうか)、
「どこまで作られたのかわからないまま残っている」名羽線。
図面と実際の路線が全く違う形になっているという、謎が多い路線です。
誰も立ち入らないような山の中にぽつんとトンネルが出現する、
特に冬は恐怖すら覚えそうなロケーションです。
冬に写真を撮りに行っているのがまたスゴイです。
なな爺さんによる名羽線のレポートは、「廃線跡の記録
2(三才ブックス)」に掲載されています。
ロリ鉄必見の一冊です。
「音楽鉄」粒来さや香さん(写真左)&「歌鉄アイドル」藤岡リラさん。
駅メロ制作会社に務める粒来さんから、駅メロのなりたちに関するお話。
オリジナルの駅メロもいいですが、
鉄腕アトム(高田馬場)やWE LOVE MARINES(海浜幕張)など、
駅の所在地にちなんだ曲のアレンジ版も面白いですね。
ここで「歌鉄」藤岡リラさんが歌を披露。
曲は東北新幹線はやぶさをテーマにした「桜 花びら 時速300km」。
実は同曲が収録されているCD・テツノポップを持ってるので感激でした。
歌鉄、熱いな!
そしてなんと! テツノポップ作者の塩塚博さんが会場に!
塩塚さんは駅メロの作曲を多数手がけている方です。
なお、「鉄道モバイル」にて駅メロがダウンロードできます。
詳細は株式会社スイッチのサイトから。
鉄道モバイルでは鉄道写真のコンテストも行なっているので、
撮り鉄の方も是非!
「CAD鉄」松ヒトシさん
前回「オブジェ鉄」で参加した松さん。
今回はCADを使い、SL・C-11の3Dモデルを作成しての登壇です。
1/10スケールでの作成。全8000パーツを忠実に再現、完成に半年かかっています。
機械に読み込ませれば、モデルの通りに削り出すことも可能だそうです。
見る角度も自由に変えられます。
司会陣「この作り方、セミナーにしたらお金取れるんじゃない?」
会場、納得。
「模型鉄」平野玲音さん
前回に引き続き登場の平野さん。
今回は「レイアウト主体の」模型鉄写真と映像を撮ってきてくれました。
発車と到着を動画で実演。
凝ってます。
平野さん「発車パターン2の動きは隅田川貨物駅で見ることができます」
続いては「珍しいコンテナを探せ!」と題してコンテナヤードを……、
ここで出ました並走撮影! 前回からカメラがグレードアップしている!
「カーブは曲がれないかも」だそうですが映像の迫力は素晴らしかった!
ちなみに、「珍しいコンテナ」はこちらの3種類。
模型動画の道をひた走る平野さん、
撮影はどこまで進化するのでしょうか。
「未成線鉄」草町義和さん
「ロリ鉄」なな爺さんとはまた違ったアプローチで未成線の魅力を語ってくれました。
幻の路線=幼体固定?
未成線調査・探索の一例として、成田新幹線を挙げています。
成田新幹線の平面図と縦断面図を持ってきてくれました。縦断面図が長い!
用地買収の記録から計画の名残をみることができます。
「武蔵野線の工事開始は成田新幹線の計画が出たあと、だから成田新幹線が通ることを意識した構造になっているはず」
「成田新幹線の名残を見たいなら千葉ニュータウン中央駅から先なんです」
未成線、奥が深い……!
「いにしえ鉄」田ノ岡三郎さん。
本業はアコーディオン奏者の田ノ岡さん、
「鉄道の古の姿が見える瞬間が好き」=「いにしえ鉄」としての登壇です。
伊豆箱根鉄道・三島広小路駅。
「いにしえの姿は私鉄に色々と残っています」
田ノ岡さん紹介の樽見鉄道、公式サイトのトップに社長が!
鹿島鉄道・借宿前駅。
CDのジャケット写真撮影のためのロケハン中に撮った1枚。
鹿島鉄道の石岡駅から出ている、かしてつバス専用道。
「いにしえ鉄」としてはバス専用道が熱いという田ノ岡さん。
お正月の休みを利用して日本中のバス専用道を巡ってみたそうです。
いにしえ鉄として特に儚さを感じるという、未成線としても有名な五新線。
平日は5往復、土日は朝の1往復だけというバス路線です。
田ノ岡さん「バス専用道の旅は味わい深い。いにしえ鉄としてオススメします」
最後はUstream中継を試聴の皆さんからツイッターで今日一番面白かったオレ鉄を募集。
オオゼキさん、チェック中。
司会のお三方も悩みに悩んで……。
武田さん「今日のオレ鉄はタイムライン鉄に決定!」
なお、「オレ鉄用語大賞」はロリ鉄に決まりました。
このインパクトに勝てる鉄道用語はなかなか出てこないんじゃないでしょうか。
今回のUstream中継、アーカイブ(一部)はこちら。
今回の模様はyoutubeにもアップロードされています。
さて、鉄道をひたすら楽しめるだけ楽しみ尽くす、といった様相のこのイベント。
「次回はゴールデンウィーク後~6月くらいかな?」と武田さん。
「まだこんな楽しみ方があるぞ!」というみなさん、今すぐ武田さんまで連絡を!
(ライター・ニセ生物)