『仏像マニアックス8』ライブレポート:カルカル定番 あのマニアックスが再来♪ 今回は本当は怖~い仏像話と名スポット立体絵解きの真相を解く(12.3/3開催)
2012年04月11日
またまた、やってきました♪
あの「仏像マニアックス」が3月3日のひな祭りに再来です。
今回で8回目となったこのイベント、
いつものお二方に「まりこふん」をプラスして、
更にパワーアップして開催されました。
ひな祭りにちなんで、
恋人同士といわれている「高崎観音と鎌倉大仏」がテーブルに飾られた。
↑左から坂原弘康、宮澤やすみ、まりこふん
●本当はこわーい仏像話
仏像と聞くと一見、仏や神の化身というイメージなので、
正義の味方と連想されるが…一部の仏像には、
実はそうでもない使われ方をしているものがある。
それを宮澤さんがレクチャーしてくれた。
まずこちらは東大寺「不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)」。
額にもう一つ目があるという見た目が怖い観音様で、
人々を救う色々なご利益があるが、その中に国を守るという意味合いもあり、「怨敵調伏(おんてきちょうふ)」、つまり敵を呪い殺して国を守るために造られた仏像。奈良時代、朝廷から大宰府に左遷され藤原広嗣に呪いをかけるために作られたと言う。
↑コロッケが「美川憲一のものまね」をしている時の顔に似ています。
道鏡の怨霊封じのために造られたのが神護寺の薬師如来。手の位置が中間ポジションにあり中途半端。それは堂の入り口から仏像に向かって歩いた際、仏像の手が動いてるように見えるよう、工夫されているためだという。
この仏像が出来た由来は…
お坊さんでありながらも政治の世界で成り上がっていった道鏡、とうとう「道鏡を天皇にしなさい」と神からのお告げがあったと称徳天皇に伝えたところ、称徳天皇もその気になってしまった。
それに意義を唱えたのが和気清麿呂。
もう一度神のお告げを確認して、結局それは道鏡の策略だと暴き失脚させる。左遷先で無念の死を遂げた道鏡の怨念をなだめるために造られた。
↑象の革を羽織り、人の頭を掴んでいます。
「大黒天」とは通称「福の神」と呼ばれているが、原型はとても「福」を想像できない容姿である、インドの破壊神「マハーカーラ」である。マハーは「大いなる」、カーラは「黒、暗黒」という意味で、「大黒(だいこく)」の語呂が「大国主神(おおくにぬしのかみ)」の「大国(だいこく)」に似ているので混同されるようになった。当初は破壊と豊穣の神とされていたが、現代では豊穣の面が残っていった。
↑正義の味方とは言えないワルの顔をしています。
ダキニ天と歓喜天(かんぎてん)は上記の通りちっともいい所を持っていないが、インドでは金運・仕事運・ギャンブルの神様。
この写真は歓喜天(かんぎてん)で頭が象で、二人は夫婦で、二人で一つの神様となっている。奥様が主人の足を踏んで欲望を押さえつけているところから、つまり、この神は善悪の両方持っていて、善が悪を抑制していることを表している。また男女が抱き合っているところから、夫婦の夜の問題も願うと解決すると言い伝えもあり、秘仏なので普段は開帳されない。
東京にも歓喜天があり、ココだけということで宮澤さんが特別に許可を取って紹介してくれた。ん…、丁度真っ最中に目撃されたカップルの様です。
このように天部は善と悪が表裏一体であるが、それはアジアの神は自然から生まれたものなので、自然からの恵み・天災の二つの面があるからではないかと、宮澤さんが語った。
前半の最後は宮澤さんとまりこふんのユニット石舞台より
「御開帳ブルース」を披露。
●現代の絵解き~立体絵解き~
後半は坂原さんによる立体絵解きの世界。
立体絵解きとは、現代版絵解きで、精巧なジオラマを使って、様々なエピソードを紹介したもの。
ここでは、関ヶ原ウォーランド、伊豆極楽苑を紹介してくれた。
・関ヶ原ウォーランド
戦国時代を終焉させ、その後の日本の支配者を決定付けた天下分け目の戦い「関ヶ原の戦い」。
この戦いをリアルに再現したのがこの関ヶ原ウォーランド。
因みに関ヶ原の戦いとは…
上の写真の通り。これは社会の授業で習いましたよね。
何故、戦場が関ヶ原となったかというと、関ヶ原は写真の通り、山間で古代から交通の要衝となっていた場所で、東から西へ攻める場合は必ず通らざる負えないからだ。
そして、この戦いの絵解きはこんな感じ。生首を子供にもやさしく表現されている。
さて、コンテンツが上記までなら普通の資料館に過ぎないが、この関ヶ原ウォーランドの違うところはココ! その一押しメインディッシュは…、
関ヶ原の戦いをリアルに表現し、
実際の布陣に基づいた合戦を再現した「屋外型立体リアル絵解き」!
また見所の一つに定期的にペンキが塗り替えられるところがある。
その時担当された絵師によってタッチが違うので、その違いを毎回楽しむことができるのだ!
例えば…
生首の血が増量となったり、
髭が濃くなったり、
胸毛が増量されたり…そんな楽しみ方もある。
・もう一つの関ヶ原の戦い。湯浅五助物語
切腹した大谷吉継の介錯を務めた「湯浅五助」。
主君との約束で大谷吉継の首を戦場から離れたところに埋めた姿を敵に発見されてしまった。そこで五助は「私の首の代わりに、主君の首を隠した場所を内緒にしてくれ」と頼み、敵は五助の首を取り、その功績を徳川家康へ報告した。
家康は「大谷吉継の側近である五助なら主君の居場所を知っているはず」と尋問したが、五助の首を差し出した者は、五助との約束を頑なに守り、大谷吉継の首の在処を家康に言わなかった。
その五助の墓は大谷吉継の墓の隣にある。
仏像は専門外のまりこふん、専門分野であるお墓が登場しましたが…、「最近の墓だからねぇ…ちょっと興味がないなぁ…」と五助の墓を一蹴。ん…、古墳じゃないとダメなんですね(汗)。
・関ヶ原ウォーランドへの思い
谷口玉泉氏はどこのような思いで関ヶ原ウォーランドを創設したのだろうか?
それを紐解く鍵は合戦の再現展示入り口付近にある。
それは、徳川家康に唯一勝利した武田信玄のコメント
「もう争いはやめい! ノーモア関ヶ原合戦じゃ!」にあるとのこと。
関ヶ原は1600年以前から幾度となく合戦のステージとなっており、また谷口氏も戦争体験者。兵士として戦った辛い思い出から戦争で犠牲となった兵士の魂、つまり関ヶ原の戦いの戦死者を供養するために寺を建て、その近隣にウォーランドを建設した。
先ほどの大谷吉継の像の隣にいるお坊さんの顔は、
もしかしたら谷口氏自身の顔をイメージしたのかもしれない、と坂原さん。
↑ウォーランド訪問者に無料でプレゼントされる「ノーモアシール」
・伊豆極楽苑
坂原さん、宮澤さん、まりこふんも訪れたこともある伊豆極楽苑は、
立体絵解き定番スポット。
有名人の色紙コーナーに、まりこふんと、宮澤さんの色紙が…。
悪い行いが度重なると、ぐうの音も出ないほどの厳しい、閻魔さまによる地獄裁判をかけられ、罪の重さによって様々な体罰が課せられる。そして、死ぬに死ねない苦しみを味わせられる。
しかし重罪で地獄に落ちそうになっても、落ちたとしてもリベンジができて、
死後、遺族達が「法要」すればその罪を軽くすることができる。
また極楽苑の上には、愛の秘宝を展示したスペースがあり、
隠れた名スポットとなっている。
最後は、まりこふんが作詞作曲した
この伊豆極楽苑のテーマソングを披露。
笑いあり、涙あり、歌ありの3時間、皆様どーでしたか?
立体絵解きは結構見応えがあって楽しいので、
近所にあった際は是非足を運んでみましょうね♪
ホシスミレ/へんしゅう&ぶんぴつ家