里中遊歩著・今泉忠明監修『サトナカがゆく! ~風まかせ動物探索記』発刊記念!<NIPPON野生生物summit ~外来動物天国ニッポン!~>ライブレポート(13.5/18開催)
2013年06月12日
ペットとして飼われている犬(猫)を飼カイイヌ(カイネコ)、
それが逃げ出したり捨てられたものをノライヌ(ノラネコ)と呼ぶ。
野イヌ(野ネコ)は野良イヌ(野良ネコ)達から生まれた子孫のこと。
「日本犬」、「日本猫」という言葉がありますが
それらも遠い昔に外から持ち込まれたものだそうです。
但しイリオモテヤマネコやツシマヤマネコなどの
ヤマネコ類は立派に日本固有のネコ科の動物だそうです。
日本人は希少なヤマネコ達を守っていく義務があります。
そして、ワースト1の発表!
アライグマはご存じラスカルなどで可愛いイメージの動物。
確かに見た目も可愛らしく、幼い頃は飼い主に従順です。
しかし、手先が器用で木登りもできるため
家の中をいたずらでメチャメチャに破壊してしまったり、
性成熟した個体は繁殖期になると極端に気性が荒くなるため
犬や猫と同じ感覚で飼い始めた人はたちまち手に負えなくなり、
それが次々と野に放たれて野生化してしまいました。
日本の野山にはアライグマ天敵となる動物がいないため
その数は急速に増えています。
検疫法改正以降は輸入に半年間の検疫が課されるようになり、
以前のように可愛らしいベビーが流通することはなくなりました。
それに加えて特定外来生物にも指定された為、
ペットとしての歴史は事実上ほぼ終わった状態にあります。しかし、
今泉さん
「野生化したアライグマが増えたというがまだまだほんの序章。
この先10~20年後はとんでもないことになるかもしれない!」
とのことなので今後の成り行きが非常に心配です。
以上、外来生物の最悪ランキングを見てきましたが、
結局のところ自分勝手に生態系を乱してきた
”ヒト”こそが最悪の生物と言えるのかもしれません…。
最悪なのは”ヒト”なのでは!?
(※今泉先生に悪い奴=ヒトを代表して頂きました:笑)
多摩川はタマゾン川と呼ばれている
(おさかなポストについての説明スライド)
最後に里中さんと今泉さんが
「せっかくニッポンというここにしか棲息しない
希少な動植物に恵まれた国に生まれたのだから
人間の勝手気ままに生態系を壊してしまうのではなく
そろそろ考え直しませんか?」
と呼びかけてイベントは終了。
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【イベントで解説されたが本ライブレポートでは割愛した外来種一覧】
ガビチョウ、イエウサギ、ソウシチョウ、キョン、アカゲザル
イエネズミ(ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ)、ハクビシン
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【まとめ】
こうして見ると確かに日本は外来生物天国であり、
数多くの外来種が移入したことで日本固有の貴重な生物達が
危機にさらされていることに気づかされます。
今後は外来生物の問題を子供達に
いかに教育し伝えていくが大きな課題だそうです。
しかし、そもそも大人がこの問題を自覚していなければ
子供達に理解させることは到底無理な話なので、
まずは今回のトークライブのようなイベントをキッカケに
外来生物の問題に対して関心を持ってくれる大人が
少しずつでも増えてくれること期待しています。
そして、里中&今泉コンビの『野生生物summitシリーズ』が、
日本や東京の自然環境を考えるキッカケを与えるイベントとして
今後も楽しいトークとともに続いてくれたら良いなと思います。
(ライター・GAMA)