人気沸騰の特撮ドラマ!あの“牙狼<GARO>”のトークライブ遂に“戒催”!『牙狼小説之夜~小説版“牙狼<GARO>”出版記念イベント』ライブレポート (10.12/2開催)
2010年12月16日
2005年10月よりテレビ放映。ことし映画化もされた人気特撮ドラマ『牙狼<GARO>』。
小説版の出版を記念したイベント『牙狼小説之夜』が開催、いや“戒催”されました。
ことし発売された二作の『牙狼<GARO>』小説をテーマにしたトークイベントです。
開演にあたり、『牙狼<GARO>』の設定・脚本を担当された田口恵(けい)さんよりご挨拶と諸注意。
「本日は写真撮影OKです。
携帯電話はマナーモードにしてください。
会場に魔戒騎士(まかいきし)や魔戒法師(まかいほうし)がいるかもしれませんが、人前での鎧の召喚は禁止です。
イベント中に番犬所(ばんけんじょ)から指令が届いた場合は速やかに移動してください。
ホラーの返り血を浴びた人がいたら斬ってください」
ネタバレになりますが、イベント中に斬られるお客さまはいらっしゃいませんでした。
写真左から田口恵さん、
『牙狼<GARO>』脚本家であり今イベントの主催者・小林雄次さん、
小説を連載していた特撮雑誌『宇宙船』編集長のホビージャパン・野口智和さん、
『牙狼<GARO>』原作者・総監督のスペシャルゲスト・雨宮(あめみや)慶太さん。
牙狼<GARO>小説ができるまで
前半は小説版の制作にまつわるトークが展開されました。
まずは『牙狼<GARO>』小説の第一弾となった『暗黒魔戒騎士篇』について。
もともとは2006年に出版され、ことし新装版が刊行された同作。
企画当初はテレビシリーズのノベライズを書こうという話だったそうです。
しかし雨宮監督が「テレビでやっていない話を読みたい」とリクエスト。
映像化されたものをそのまま文章にすることには抵抗があったようです。
「テレビ版でやっていないエピソードもあるので、そちらを小説にしたほうがおもしろいと思った」
オムニバス形式の内容については「『牙狼<GARO>』はテレビシリーズも1話完結にこだわってきたので小説もそのほうがいいんじゃないか。そういうことで(小林さんに)お願いした」と雨宮監督。
執筆中は「各章によってキャラクターの視点が変わるので、異なるスポーツを10個ぐらい同時にやっているような感覚だった」と話す小林さん。
新装版で「第十一章」を書き下ろしました。
「改めて一章から十章までを読みなおしましたが、密度が濃いなあと自分でビックリ」
書き下ろしにあたり、このぐらいのクオリティが求められるのか・・・・・・というプレッシャーもあったようです。
続いて小説『妖赤(ようせき)の罠』について。
テレビ版から派生した『暗黒魔戒騎士篇』に対し、こちらはオリジナルストーリーの小説。
2008年~ことしまで季刊の特撮誌『宇宙船』で連載されました。
『宇宙船』は一度刊行がストップしたものの、出版社を変えて2008年から再開。
その記念にと雨宮監督が企画を考案しました。
「俺、この年ヒマだったんだよ(笑)」
冗談めかして話す雨宮監督。
映像と小説のコラボレーション・・・・・・も考えたそうですが、最終的には「小説でしかできないことを」と小林さんに話されたそうです。
小林さん「雑誌で小説の連載を持ったのは『妖赤の罠』が初めて。季刊誌なので余裕かと思っていたらそうでもなかった」
最初は十章でまとめる予定だったが、連載するうちどんどん話が膨らんでいき、最終的には全十一章になった、というお話もありました。
野口さん「作中にデライボーというホラー(怪物)が出てくるんですが、小林さんの原稿には何箇所か『デボイラー』と書いてあった」
小林さん「書いているうちに『デボイラー』のほうが気持ちよくなってしまって・・・・・・」
雨宮監督「よくあるよね、そういうこと」
田口さん「あるある」
声に出して読みたいホラー。
『妖赤の罠』、よく読むと「デボイラー」となっている箇所が見つかる・・・・・・かもしれません。
本番中の観客席。4人の軽快なトークに笑いの連続でした。
イベントは後半へ
Twitterとの連動企画からスタート・・・・・・のはずが。
小林さんが準備に追われているということで急遽、来場者からの質問コーナーが実施されました。
雨宮監督「何でも聞いてください、最近の北○○の話でもいいですよ」
田口さん「雨宮監督の年収いくらですか、とか」
質問「小説版が完成するまで、作品への皆さんの影響力はどれほどありましたか?」
雨宮監督「影響力・・・・・・はないけど。小説に限らず、CRなどのコンテンツにしても、『ここまではOK、これ以上はNG』というジャッジはさせてもらっている」
田口さん「前もって(小林)雄次くんから、こういうことしたいですが大丈夫でしょうか、設定考えてもらえませんか、という相談を受けているので、原稿を見て『エッ?』ということはあまりない」
野口さん「きちんとした著者・原作者がいらっしゃるので、こう直したほうが、とは言わない。もし辻褄が合わない部分があったらその指摘をするぐらい」
質問「次回のテレビシリーズは・・・・・・」
雨宮監督「あるとイイですね!」
準備を終えた小林さんが壇上に復帰。
いざTwitter連動企画の開始です。
企画1:ヒトコト感想文
『暗黒魔戒騎士篇』と『妖赤の罠』から1章を選び、その感想をツイートしてもらう企画。
「主観で申し訳ないですが・・・・・・」と言いながらも小林さんが選出した最優秀作はこちら。
「礼樂」(『妖赤の罠』の第三章)
幼い鈴の兄・翼と師匠である邪美に対する思慕と嫉妬の入り交じったような感情が描かれている。「暗黒・・・」編の「古傷」における邪美の目線に通じるものがあると感じた。意地を張る鈴が可愛い。その気持すごくよくわかる!妹を思う翼の涙もとても愛おしい.
小林さん「短い中にもいろんな感情がこめられている。前作の『古傷』に通じる、という視点で見てくれたのもうれしかった」
お題2:妄想キャスティング
もしも『妖赤の罠』が映像化されるなら、灼熱騎士ヤイバこと五道アキラを演じる俳優は、誰? その理由は?
という企画。
こちらは下記のツイートが最優秀作に選ばれました。
妄想キャスト:木村了
バラゴに熱い思いを抱いてしまうアキラ、新感線で女だけど男として生きる役やってましたし。
小林さん「木村さんはドラマで見るとすごくいい役をやられている。中性的な印象が自分の中でマッチしたので(このツイートを)選ばせていただきました」
企画の最優秀者には記念品が贈られました。
『牙狼・スペシャルトーク』
続いてはことし公開された映画版『牙狼<GARO>~RED REQUIEM~』やパチンコ「CR牙狼」について。
スクリーンには「RED REQUIEM“U”」という文字が・・・・・・。
雨宮監督「じゃあ“U”がつくほうの話やる?」
“U”がつかない映画『牙狼<GARO>~RED REQUIEM~』。
来場者の中には20回以上観に行ったというツワモノも。
雨宮監督「そんなに行って、大丈夫ですか? 仕事とか」
ことし12月に出る「CR牙狼~RED REQUIEM」について。
田口さん「以前はキャラクターがCGだったりしましたが、今回は実写。映画版の映像も使いつつ、CRでしか見られない映像もあります」
雨宮監督「CRは映画と同時進行。映画の合間にではなく、ちゃんと撮っていた。なのでけっこうなボリュームがある。お金がかかるので気軽に『見てね』とは言えないけど」
そうとう力を入れられたようです、ギャンブルには抵抗あるという方もパチンコ店に足を運んでみてはいかがでしょうか。
イベント最後はプレゼント抽選会。
当日物販で買い物をされた方を対象にした抽選会。
壇上の四人からはもちろん、企業から贈られるものもありました。
複数獲得する強運の持ち主も。
テレビ版・映画版で幼少時の主人公・冴島鋼牙(さえじま こうが)を演じた澤畠流星(さわはた りゅうせい)さんがプレゼントを獲得、壇上にのぼる(!)という一幕も。
小林さん「開場のとき、(流星さんが)僕のサインの列に並んでいた。僕がサインもらおうかと思った」
田口さん「流星、映画版の打ち上げでもプレゼント当たっていたもんな」
雨宮監督「そういう運も役者は大事だから」
役者が・・・・・・いや、役者は違うということでしょうか。
大盛況のうちにトークは終了。
出演者・お客さまともにイベントを満喫されていました。
終演後も丁寧にサインに応じる小林さん。
物書きの鑑のようなお姿が、駆け出しライターの私にはとてもまぶしく映りました。
小説、映画、CR・・・・・・。
テレビシリーズの放映が5年前とは思えないほど絶好調の『牙狼<GARO>』。
この勢いはまだまだ続くと確信する夜でした。
(ライター・田村R)