多田将 presents 「『兵器の科学』シリーズ立ち上げ記念イベント」ライブレポート(20.09/05開催)
2020年10月12日
”金髪ミリヲタ” の物理学者・多田将さん。2015年3月から2019年12月までの計16回に亘って、ここ東京カルチャーカルチャーにて 『未来の授業シリーズ・ミリタリーテクノロジーの物理学』 の講演を行ってきました。
軍事技術は非常に複雑でハイテクなものですが、その基本原理はいたってシンプルもの。身近な物理現象が利用されている場合が殆どだそうです。『ミリタリーテクノロジーの物理学』では、そんな物理学の基本からアプローチして、ニュース等でよく耳にするけれども実は全く理解していない、或いは誤解してしまっている ”軍事技術” について分かりやすく解説を行うというものでした。そして、全16講演ひと区切りついたこの段階で、講演内容をまとめた書籍が出版されることになったそうです。(拍手!)
タイトルは 『兵器の科学』シリーズ
…というワケで、多田さんの約9ヶ月ぶりとなるカルカルでのイベントは、この『兵器の科学』シリーズの 立ち上げ記念イベント となりました (本当は出版記念イベントとしたかったそうですが間に合わなかったそうです。この日は本の先行予約を受け付けていました) 。シリーズのコンセプト・全体像を説明した後、記念すべき 第1巻 『弾道弾』 の気になる内容をダイジェストで紹介してくれました。その様子をレポートします。
カルカルでの講演が
「兵器の科学」シリーズとして書籍化!
イベントの様子を振り返る前に、最近(取材当時=2020年9月)のカルカル状況を少しだけ。
感染予防対策を徹底した上でリアルイベントが開催されていますが、9月5日(つまりこの日の多田さんのイベント)から飲食の提供も再開されました。
店内は座席数を減らして
ソーシャルディスタンスを確保
人気の多田さんのイベントということで
この日のチケットは前売でソールドアウト。
満席でこのような感じです。
フード・ドリンクオーダーが復活!
メニューも刷新されています
感染予防策として店内に貼られたQRコードから
Webのメニューにアクセスできるようになっていました。
新メニューから注文してみました。
「キウイソーダレモネード」
出演者紹介
■ 多田将(物理学者)
1970年大阪府生まれ。京都大学理学研究科博士課程修了。京都大学化学研究所非常勤講師を経て、現在、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所 准教授。カルカルでは 2011年から 『すごい授業』シリーズ(全4回)、2015年から 『ミリタリーテクノロジーの物理学』シリーズ を開催。他、軍事評論家の小泉悠さんと 『これが本当のロシア・ソヴィエト道』 という超兵器イベントなども主宰し人気を博している。
多田将さん
コロナ自粛期間中も 「車通勤でオフィスも僕一人だけなので(笑)」 と、全く変わらない生活をしていたという多田さん。今は新刊の出版に向けて着々と準備を進めているそうです。第1巻『弾道弾』は頑張りすぎて「予定を大幅に超える360頁になった(多田さん)」とか。発売が楽しみです。
■ テリー植田 ~ 司会進行
(東京カルチャーカルチャー・プロデューサー)
2011年から多田さんの講義の司会進行を担当。解説スライドに数々のネタを散りばめる多田さんへのツッコミ役としても欠かせない存在。本イベントの数日前にレーシックの手術を受けたそうで伊達メガネで登場。
テリーP。多田さんはすっかり名コンビ。
レーシックで生まれ変わった気分だそうで
「お客さんの顔が見えすぎる!」と。
さぁ、始まりました!
『兵器の科学科』シリーズ とは
冒頭で記したようにカルカルで行われた 『ミリタリーテクノロジーの物理学(全16回)』 の講演内容をジャンル別に分けて ”シリーズもの” の書籍として企画・出版されます。実はもともとの計画として、カルカルで上記の講演を行いながら順次その内容をまとめた本を出版していく予定だったそうです。実際に第1回目の講演「核兵器(2015年03月8日)」の4ヶ月後には 『ミリタリーテクノロジーの物理学<核兵器> (イースト新書Q)』 が出版されました。
こちらの書籍
多田さん
「ところがコレが思ったほど売れなかった(泣)。第2回以降の講演内容も本にしたかったのですが、残念ながら1冊で打ち切りになっちゃいました。講演の方はおかげさまで16回まで行うことができたので、これをどうしようかなと思っていところ、なんと! 明幸堂さんのご厚意で書籍化できることになりました! それがこの『兵器の科学』シリーズです。」
客席:(拍手)
テリーP
「どんな感じの本になるんですか?」
多田さん
「ミリタリー関連の書籍は大きな書店に行くと専門の売り場があったりしますね。そこで見てもらえば分かると思いますが、戦記・戦史ものが主流です。あとは人物像や軍事情勢に関するものが多くて、兵器に関するものは非常に少ないんですね。その少ない中でも写真集的なものが大半を占めていて、技術的な解説がされているものはなかなか見当たらない。技術的な解説をしていると謳っている本もあるのはあるのですが、中を覗いてみるとなんとグラフのひとつも付いてこない。つまり、兵器について定量的・科学的に書かれたは殆ど存在しないんです。ないならないで、『じゃあ、自分が書いてみよう』というのが執筆のモチベーションの一つです。」
数あるミリタリー本のジャンルの中で
ニッチな隙間がターゲット
この赤い部分を狙う!
多田さん
「ニッチであるということは当然需要もないということなので、大丈夫かなという気がしないでもないですが…(汗)」
テリーP
「目の前や配信画面(※)の向こうにこれだけ購買層がいるじゃないですか!」
※本イベントは有料配信も行われていました
客席:(拍手&笑)
多田さん
「皆さん、ぜひお付き合いで買って頂けたらと思います!」
第6巻 までのテーマは以下の通り。
『兵器の科学』シリーズ
第1巻~第6巻までのタイトルリスト
(クリック or タップで拡大表示)
多田さん
「6冊出して好評であれば以下続刊もある…かも!? そこは皆さん次第です!(笑)」
多田先生のファンの皆さん、是非買い支えましょう!
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