2夜連続!不動産ナイトと伝説の間取り図ナイト緊急復活開催!『帰ってきた間取り図ナイト~渋谷で爆笑ヘンな間取り図祭り』ライブレポート(20.07/10開催)
2020年11月24日
夏場に取材をしたものの、私・ライター自身が多忙であった為、レポートできていないイベントがありました。本記事にて紹介させて頂きます。
4年ぶりに復活開催された ”生ける伝説” と称される抱腹絶倒の超人気イベント『間取り図ナイト』です。
『間取り図ナイト』とは、間取り図が大好きな人達(マドラー/マドリスト)が一堂に集い、面白い間取り図、興味深い間取り図、有り得ない間取り図、謎だらけの間取り図…等々、次々と繰り出される間取り図スライドショーを見て、ただひたすら笑うというイベント。非常にユルいコンセプトですが、間取り図という限られた情報を元に無限の妄想力が掻き立てられる奥深さも兼ね備えています。主宰の森岡さん曰く「不動産の概念を柔らかくして、より幸せな暮らしを手に入れてください!」。
…というワケで、ツッコミどころ満載な間取り図スライドを沢山載せておきました。”文章” よりも、是非 ”間取り図” を読んでください。
4年ぶりに帰ってきた!
超人気イベント『間取り図ナイト』!
出演者紹介
■ 森岡友樹さん(間取り図ナイト主宰)
不動産関連の企画立案を多数手がけ、地域暮らし~地域活性の広告・広報にも積極的に関わっている。モットーは「人の為にお金を使う事が『かっこいい!』と言われる文化を作る」こと。
間取り図ナイト主宰・森岡さん
2007年にカルカルで『間取り図ナイト』を初開催。第1回目こそ集客に苦労したものの、その面白さが口コミで広がって、第2回目以降は毎回満員御礼! カルカル屈指の人気イベントとなりました。カルカル以外でも『間取り図ナイト・最終回ツアー』 と題してを全国各地で公演を行い好評を博しています。ツアーでの印象深いエピソードとして、
森岡さん
「三宅島でやった間取り図ナイトはお客さんが十数名来てくれたのですが、みんな引っ越しをしたことがなくて誰も間取り図を見たことがなかったんです。間取り図を見たことがない人達を相手に間取り図ナイトをやるという世にも不思議なイベントになりました。(笑)」
2013年には間取り図ナイトから生まれた書籍 『間取り図大好き!(扶桑社/間取り図ナイト編)』 を出版。
残念ながら絶版になってしまった
カルカル発 ”間取り図ナイト” 本。
マドラー/マドリスト必携の書。
■ 横山シンスケ
(カルカル店長兼チーフプロデューサー)
2007年に当時の主要SNS 「mixi」 において大人気だった『間取り図大好きコミュニティ』の管理人・森岡さんに声をかけて『間取り図ナイト』をプロデュース。カルカルではここ4年ほど開催がありませんでしたが、このコロナ禍で森岡さんに復活開催をオファー。快諾を得てカルカルに伝説のイベントが帰ってきました!
司会進行は森岡さんとともに
『間取り図ナイト』を立ち上げた横山店長。
…というワケで、始まりました!
※ 間取り図は全てクリック or タップで拡大できます。
イントロダクション
カルカルでの開催は久しぶりということもあって「間取り図ナイトに初めて来た」というお客さんが大半でした。そこで、入門編からスタート。 森岡さんは普段どのような間取り図を集め、どのような部分を鑑賞しているのでしょうか?
森岡さん
「間取り図の楽しみにはどれだけの幅があり、奥行きがある世界なのか?まず、軽くさわりをご覧ください!」
横山店長
「この間取り図の鑑賞ポイントはどのへんですか?」
森岡さん
「デザイン性が高いと思いません? 全体的な形状もそうですし、玄関の所にある四角いボックスは何だろうとか、キッチンのシンクが壁に沿っていないところとかグッと来ますよね?」
いきなりハイレベル(汗)ですが、言わんとしていることは分かります。
和室5帖と書かれていますが…。
森岡さん
「どう見ても4帖ですよね?でも、そればっかりに目を奪われていると、窓のサイズがもの凄く小さいこととかを見落としてしまいますよ!」
このように1つの間取り図に複数のツッコミどころがある場合もあるので、油断はできません。
玄関から洋室に向かう途中にある階段を上がると、踊り場があって、更に上ると0.5帖の極小ロフトに辿り着く。
森岡さん
「僅か0.5帖のロフトのために階段の下の空間が無駄になっています。階段を取り払えばよっぽどスペースを有効に使えると思いませんか? 謎ですよね。」
その「なぜ?」「どうして?」を考えていくのも間取り図の楽しみ方の一つです。
”山岡さん物件” とは雑居ビルなどの屋上にあるプレハブ物件のこと。漫画 『美味しんぼ』 の主人公である山岡士郎が結婚する前にビルの屋上に住んでいたことに由来します。一度は住んでみたいと憧れていた方も多いのでは? 通常ビルを建てる際には建蔽率や容積率などを提示して建築許可を取る必要がありますが、一度建ててしまった後は「どうせ見に来ないだろう」と、勝手に屋上に増築してしまっているケースが多いようです。ちなみにこの山岡さん物件、洗濯機置き場がやたら遠いのが難点です。
シューズ収納室が6帖もあるなどとにかく広い! もっと言えばピンク色の部分はウォークインクローゼット・納戸などの収納スペースで、これら収納スペースの面積だけでも相当な広さとなっています。
森岡さん
「この間取り図をじっくり読み込んでいくと、右側半分はLDKや応接間などがあってどちらかといえばオフィシャルな用途に、左側半分は書斎や寝室といったプライベート空間として使い分けている感じなのですが、玄関や通常の階段室とは別に主寝室に直にアクセスできる階段室があるんですね。これってなんだか凄く ”大人な感じ” じゃないですか?……なんてことを想像できるようになってきたら一人前のマドリストです!(笑)」
客席「えぇ…。」(困惑)
大丈夫です。この日、なんと600枚ものスライドを用意してきたという森岡さんの英才教育(?)によって、イベントが終わる頃にはお客さん全員が立派なマドリストになっています!
間取り図ナイトで扱う間取り図は、原則として「不動産サイトに掲載されていたもの」や「不動産屋店頭の、或いは新聞折込みのチラシに載っていたもの」といった ”実在する物件” について作成された間取り図が対象です。…が、この ”間取り犬” に関しては投稿されたものであり「創作物かもしれない(森岡さん)」とのこと。
森岡さん
「仮に創作物だとしても、非常にグッと来る間取り図なので紹介しました。犬の横顔だとして見ていくと、居室は垂れ耳、玄関のドアは舌をペロッと出しているところで、玄関を入ってから並ぶ扉は歯は表している感じでしょうか。そして、流し台が目で、ベランダがちょうど首輪ですかね? 」
当時の生活を想像しながら鑑賞すると本当に面白い。「坊主の部屋」、「小者(武家奉公人)部屋」 …等々、気になる部屋が多数。よくよく見ると、台所が沢山あることに気づきます。
森岡さん
「当時は毒を盛って暗殺を謀ったり…なんてことがあったので、その日どこでお殿様の料理が作られているかを特定できないようにしていたのだと思いますね。」
描き方いろいろ
間取り図コレクションの楽しみが伝わったところで、次のステップへ。
間取り図の ”書き方(描き方)” に着目して、タイプ分けをしながら見ていきました。間取り図の書き方には厳密なルールがあるわけではなく、何をどこまでどのように記載するかは作成者によって異なってきます。
まずは色使いや文字のフォントなど、パッと見の印象を左右する要素について。「なぜこの配色にしたのか?」、「なぜこの背景を使ったのか?」、「なぜこのフォントを選んだのか?」…等々、作成者の気持ちにも寄り添いながら間取り図を眺めていくのがポイントです。
間取り図に背景は本質的には不要なものですが、新緑や紅葉、夏の青空のなどを背景にすることで季節感を演出するなどといった使い方があります。…とは言え、宇宙感満載のこの間取り図は一体に何を伝えたかったのでしょう?
横山店長
「実は僕はずっとPower Point とか使ったことがなくて、最近になってようやく使い始めたんですけど、コレすごく気持ちが分かる気がします(苦笑)。『こんなことできるぜ!覚えたぜ!』みたいな。 」
森岡さん
「”やっちゃった感” ありますよねぇ。でも、実際の物件が本当にそうなっている場合もあるので油断できませんよ!」
床に本当に格子模様が!(驚)
客席「おおおーっ!!(大拍手)」
横山店長
「なんだこの拍手!? なんだこのイベント!?(笑)」
カルカルに『間取り図ナイト』ならではの独特の雰囲気の戻ってきました。まだまだ盛り上がっていきます。
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