黒沢健一のホーム・パーティへようこそ!聖夜に贈るは“歌心”「SEAT AND MUSIC2009~☆Holy Night☆~」ライブレポート(09.12/25開催)。
2010年01月26日
黒沢健一のホーム・パーティへようこそ!
2009年はどんな1年でしたか?
楽しいこともありました。悲しいニュースもありました。
けど、今日このイベントに来たたくさんのお客さんにとっては、
「黒沢健一と共に過ごした楽しい1年」だったのではないでしょうか?
2009年3月、健一さんは7年ぶりのニューアルバム「Focus」をリリース。
バンド編成でのツアーを組み、秋にはなんと、弦楽器のカルテットと
全国の劇場などを回るという野心的なツアーを組みました。
たくさん健一さんの音楽に触れられた、そんな嬉し楽しい1年でした。
そんな健一さんが、旅を終えて、東京に帰ってきました。
そして1年の締めくくりに、今年も選んでくれました。
お台場・東京カルチャーカルチャー。
「10月の秘境駅ナイト、いきたかったんですよー。
あ、明日はダムナイトですよね。気になるなあ。」
開演前、楽屋でリラックスした表情でいきいきとこう語る健一さん。
果たして、黒沢健一さんとダムや秘境駅や廃墟を、同じスケジュールに
並べていいものか、ちょっと迷ってしまうこともなくはないのですが、
健一さんは逆に、そういうイベントを開く会場でライブをやることを、
楽しんでくれているのです。光栄の限りです。
カルカルでの黒沢健一ライブは、2009年で3回目。
常々健一さんは言っています。
「カルカルのライブは、ホームパーティみたいなライブにしたい。」と。
そういう意味では、3回のカルカルライブの中で、
今回は最も「ホームパーティ」のような雰囲気でした。
演者と、会場と、お客さんと、スタッフとの距離が、
とても親密なのです。
なにせステージと客席がこんなに近いのです。
こうイベントハウスのスタッフが自ら
言うのもおこがましいのですが、
3年間のときを経て、カルカルは健一さんの
ホームグラウンドになれたのかな……と、
こっそり感慨にふけってしまいました。
親密なので、こんなリラックスした表情もみられます。贅沢!
クリスマス限定メニューで大盛り上がり大はしゃぎ!
さて、今回の「ホームパーティ」は、12/25=クリスマス開催です!
去年までは「健一さんの前で食事やお酒なんて喉が通らない!」と
言っていたシャイな健一ファンも、今年はステージやお台場の楽しげな
雰囲気も手伝って、気軽に飲んだり食べたりしていました。
楽屋で食べたメニューの話で盛り上がる健一さんとKey.遠山裕さん
カルカルもパーティを盛り上げるために、クリスマス限定メニューを
たくさん用意しました。
今回のお薦めドリンクには、昨年好評だった健・キールに加え、
健一さん自ら推薦した「ジョン・レノンが大好きだった、滅茶苦茶強いお酒」を
半分に割った「ハーフ・ブランデー・アレキサンダー」を用意。
更に、健一さんの好物のたこ焼きとエビ春巻きを用意しました。
健一さんがそれぞれ「タコ・フォー」「エビストリングス」と命名。
ちなみにタコ・フォーは、ビートルズを指す「Fab Four(素晴らしい4人組)」から
とったそうです。細部でもビートルズを忘れないあたりが、流石。
粋(いき)な命名のおかげで、厨房は開場からラストオーダーまで大忙し。
バーカウンターではグラスが足りなくなる非常事態になったくらいです。
特別メニューの撮影中。好物がそろって笑顔がとまらない健一さんです。
気軽に飲んだり食べたりしながら、素敵な音楽を楽しめる。
健一さんや出演者の遠山裕さん、
お客さんやスタッフの笑顔があふれるパーティになりました。
ただでは終わらない、聖夜の健一劇場!
聖夜を祝う乾杯のグラスの音が鳴り響く中、
いよいよクリスマスライブがスタート。
1曲目は、健’zでカバーしたTHE DRIFTERSの「Ruby Baby」。
いきなりカバーから始まるあたり、ただでは終わらない気がします。
その予感は的中。全般にL⇔Rの代表曲を随所に散りばめながらも、
なかなか意外性のある曲が弾き語りで披露されました。
特筆すべきは、
バイオリニスト・清原千景さんを交えた「Free Bird」。
これはジャズなのかクラシックなのかロックなのか。
いや、そんな定義なんてどうでもよくなるくらいに、
唯一無二の存在感を誇るセッションがステージで展開されました。
Vl.清原千景さんを交えての演奏!弦カルテットの成果がここに結集!
たまたま大阪から東京にきていた清原さんを、
「今日一緒にやってくれない?」と健一さんから誘ったそうです。
まさに、健一さんのクリスマスパーティならではの、
嬉しいハプニングですね。
待ってました!クリスマスに捧げるあの名曲も披露!
そんな意外性ある曲をはさみつつも、
ファンの期待を裏切らないホスピタリティあふれる演奏も
しっかり織り交ぜるあたりが、また見事。
L⇔R時代の代表曲「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」は
ギター1本で弾き語り。「Just Say I Love You!ありがとう!」の
シャウトで締める演奏は圧巻で、客席の中には涙を浮かべる
お客さんもでたほど。
ギター1本で圧巻のパフォーマンス。
そして、クリスマスといえば、
聴かずには帰れないのが、クリスマスナンバー。
L⇔R時代の名バラード「RED&BLUE」と「NORTHTOWN CHRISTMAS」の2曲が
披露されました。
イベントの最後には、Podcast配信された
「A little book for christmas」の映像をスクリーンに流すという演出も。
健一さんからの、粋なクリスマスプレゼント。
最初から最後まで、バンドであったり、弦カルテットであったり、
さまざまなスタイルで演奏を1年間重ねてきた健一さんの、
スケールアップした音楽が溢れる、聖夜にふさわしい
「ホームパーティ」になりました。
いい音楽は世代や環境を越える。
彼の歌はそんなシンプルな事実を僕らに教えてくれる。
カルカルのスタッフには音楽好きがたくさんいるのですが、
若いスタッフが多いです。
健一さんの音楽がチャートを席巻していた時期は
まだ小学校低学年で、CDなんて全然持っていなかったという人が
たくさんいます。
だけど、実はこのイベントは、若いスタッフに大人気です。
理由をきくと、「黒沢さんの歌は本当にすごい。
迫力があって、背筋がぞぞってするんです。」と興奮した
面持ちで言うのです。
それを聞いて、本当にいい音楽と言うのは、
世代や環境を越えて、きちんと伝わるのだと嬉しい気分になりました。
黒沢健一さんのカルカルでのパーティは、
音楽の楽しさを、まっすぐに僕たちに届けてくれます。
音楽が好きでよかった。心の底から、そう思えるのです。
イベントの最後に健一さんが、こう語ってくれました。
「カルカルのスタッフ、そして僕らサイドのスタッフ、
楽しいパーティを作ってくれて感謝してます。ありがとう!」
こんな楽しいパーティで、こんな心にくいこと言われちゃったら、
また開催しないわけには……いかないですよね?
2010年も集まって、お台場の中心で、スタッフも、お客さんも一緒に、
みんなで叫びましょう。「ウェルカム・ホーム!(お帰りなさい!)」って。
また来年もみんなで言いたいです。「お帰りなさい」って。
(河原あず/東京カルチャーカルチャー)
【セットリスト】
1.Ruby Baby(The Drifters)
2.SUPER SONIC BOY
3.BYE
4.And I Love Her(The Beatles)
5.Silencio
6.What is this song?
7.RED&BLUE
8.Grow
9.YOUNGER THAN YESTERDAY
10.Scene39
11.KNOCKIN’ ON YOUR DOOR
12.Missing Piece
13.Free Bird
14.This Song
15.Rock’n Roll
16.I LOVE TO JAM
17.GAME
18.Northtown Christmas
(en)
19.PALE ALE
20.This I Swear(The Skyliners)
21.A little book for christmas