旅行情報誌に載らないスポット続々登場で週末は奈良旅行に決まり!『大人になったら、奈良へ行こう!~1300年後も後悔しない通なスポットを一挙紹介』ライブレポート(10.9/19開催)」
2010年10月06日
皆さん、奈良県に行ったことはありますか?
奈良というと、どうしても大阪に行ったついでに奈良市内だけ寄るとか、京都に行ったついでに、時間があったら大仏と、せんとくんだけ拝んで帰る・・・という感じの方も多いのではないでしょうか?
「そんなのは甘い!そんな“ついで観光”みたいな中途半端な気持ちで来るのではなくて、最低でも2泊3日で、奈良県だけを観光しないと!!」 と言わんばかりに、奈良通の4人が鼻息を荒くしながらさっそうと登場。
情報誌「るる○」に載らないような通なスポットを、息を吸うヒマもないほど大量に紹介。
▲会場では奈良の観光マップやガイドブックが配布され、奈良ビギナーにも安心。ちなみにこの日のお客さんは、およそ半分は奈良出身で半分は奈良以外。
トップバッターを務めたのは、イラストレーター&文筆家で、奈良市観光大使でもある田中ひろみさん。
『拝んでしあわせ奈良の仏像100』(西日本出版社)、『田中ひろみの勝手に仏像ランキング』(メディアイランド)他、著者多数!「よみうりカルチャー」などで講師も務めてらっしゃるということで奈良ネタも豊富。いきなり期待度急上昇!
▲気合いを入れて天平の衣装で登場した田中ひろみさん。コチラの衣装、なんと手作り!(おお~~!)
田中さんは、知ってるようで意外と知らない仏像の知識を、クイズ形式で紹介。
なんと!
各問題に正解した方の中から1名様に、せんとくんグッズをプレゼント!!(拍手!)
では、その一部を紹介。
問題:ガンダムと奈良の大仏様が立ったら、どちらが高い?
正解:奈良の大仏
大仏が立つと30m。(座った状態では15m)
ガンダムが立つと18m。
ヒェ~~。そんなに違うのか。
ちなみに、日本で一番高い大仏は茨城にある牛久大仏。全高は120m(像高100m)。でも、今回はあくまでも奈良県がテーマなので、そのへんは軽くスル―。
問題:興福寺の阿修羅様は顔が3つありますが、耳も6つある。○か×か。
正解:×
耳は共有してあるため、4つ。
田中さんは、イラストの阿修羅像のように、守ってあげたくなるような美少年顔が大好きなのだそうだ。
田中さん「阿修羅像は、怖い顔をしているっていうイメージがあるかもしれませんが、この方はどこか憂いを帯びている顔なんです」
テリーさん「なんとなくジャニーズ系ですね。大野くんっぽいな」
田中さん「う~~~~~~~~~~~ん、違うと思います・・・・」
坂原さん「怪物くん?」
田中さん「違います(キッパリ)。
アイドル顔で、私は好きなんですけど、こちらの阿修羅像には
娘がいるんです(ションボリ)」
テリーさん「アイドルがねぇ・・・。でも仕方ないですね」
▲クイズに正解して、嬉しそうにせんとくんグッズを受け取るお客さん。おそらく、家に帰っても、せんとくんの話題で大盛り上がりであろう。
この他、新薬師寺 地蔵菩薩立像(おたま地蔵)、牛久阿弥陀大佛立像(牛久大仏)、伝香寺 地蔵菩薩立像、五劫思惟阿弥陀如来坐像、浄瑠璃寺本堂 吉祥天立像などにまつわる問題が出題。(どんな仏像なのか気になるという方は、ぜひ、田中さんの著書を)
時間はあっという間に過ぎて、最後の問題に。
問題:唐招提寺金堂 千手観音菩薩立像は、1000本ある。○か×か
正解:×(953本)
田中さん「1000本あるように見えますが、1000本はないんですね。
というわけで、今、奈良ではたくさんの仏像が御開帳されていますので、ぜひ奈良の仏像に会いにきてください」
いきなり濃い内容の連続。
次は、おすすめの温泉と滝の紹介。
ん?奈良って滝も有名なの?
そんなことを言っていると奈良公園のシカに、涼しい顔で頭突きされますよ。
紹介してくれるのは、TVチャンピオン滝通選手権出場者で、カルチャーカルチャーにて滝のトークショーを主宰、温泉通でもある佐竹敦さん。
前半は温泉の紹介。
十津川温泉郷(奈良県十津川村)
全国で初めて「温泉かけ流し宣言」をした温泉。
佐竹さん「ここは、お湯の循環、再利用、加温、加水。塩素消毒を一切されていない、極上の温泉なんです!」と大きな声で猛アピール。と、ここで衝撃の事実が。
佐竹さん「実は全国にある9割の温泉が、源泉かけ流しではないんです!!」
お客さん「ええ~~~!?」
十津川にある温泉は、どこの温泉も全て源泉かけ流し。
入之波温泉(奈良県川上村)
奈良県では非常に珍しいにごり湯。
しかも、成分が濃すぎて、浴槽などに謎の付着物があるほど。
佐竹さん「飲んでみようかと思いましたが、マズくて飲めませんでした」
なんて、タメになる情報なんだ。
続いて、いよいよ滝の情報へ。
佐竹さん「奈良県は日本の屈指の滝の聖地で、日本の滝百選では、北海道を除く46都府県の中で最多の4本が選ばれるほどなんです。それなのに、奈良県の関係者は滝がスゴイっていうのを発信してないんです。滝ファンにとって、これは悲しい話ですよ!!」と、またもや雄たけびを上げる。
ハイテンションのまま、佐竹さんはおすすめの滝を紹介。
不動七重の滝
佐竹さん「100mの落差があります」
テリーさん「それでも牛久大仏のほうがデカいんですね」
佐竹さん「・・・」
その他、笹の滝、中の滝、双門の滝などを紹介。
初心者の鑑賞のポイントを尋ねたところ
佐竹さん「落ちた瞬間に砕け散って、それがまた末広がりで下流に流れていくところですかね。音もスゴイですし」
※双門の滝は「日本の滝百選の最難関」と言われていて、道路からたどり着くのに4~5時間はかかるので要注意。
さらに、奈良県にはもっとスゴイ村があるという。その名も上北山村。
落差が100m級の滝というのはあまりないのだが、上北山村にはたくさんあるというのだ。
今回は、くらがり・又谷の滝(←断崖と断崖の間にある滝)、ツキ谷の滝(←知られざる秘爆 ※隠れた温泉を「秘湯」と呼ぶように、滝業界では「秘瀑」と呼ぶ)、千尋(せんひろ)の滝(←水量が多い)、かくれ滝(←文字通り、見つけにくい)、岩屋谷雌滝、岩屋谷雄滝(←どちらも名爆)を紹介。
▲ふと見ると、村の位置を地図で確認するお客さんの姿が。これでまた滝ファンが増えたと、佐竹さんは心の中で大喜び。
佐竹さん「奈良は滝王国なんです!これを機に、奈良県の皆さんも滝の良さを全国に売り出してください!」と、声を枯らしながら訴えた。
続いて、カルチャーカルチャーのプロデューサー、テリー植田さんからの紹介。テリーさんも奈良県の桜井市出身。親戚が、亀屋三輪そうめん「植田製麺所」を営んでいる。幼い頃は、茶臼山古墳周辺を遊び場とし、遠足は、山の辺の道、飛鳥の石舞台周辺。学生時時代は吉野山の旅館に3年間住み込みでバイト。
そんなテリーさんが勧めるのは当然、吉野の桜。
「近鉄吉野駅で降りて、ロープウェーに乗って、旅館街を抜けて行くと、あたり一面に桜、さくら、サクラ。3万本の桜は絶景です」
▲見よ。桜しか映ってないではないか。
※奈良大和路観光マップより。
休憩のあとは奈良県葛城市「梅乃宿酒造株式会社」より協賛頂いたお酒の紹介。
ひやおろし(秋の限定酒 純米吟醸酒)
梅乃宿 ゆず酒(日本酒仕込の甘酸っぱいゆず酒)
あらごし梅酒(日本酒仕込の果肉入り梅酒)
テリーさん「ゆず酒が好きで、東京でもずっと買って飲んでます」
▲「あら、おいしいわね。今度は大仏と桜を見に行って、お土産に梅酒を買ってかえろうかしら」(←時間があったら滝のほうにもぜひ・・・)
お客さんは3種類のお酒を飲みながら、今度は大仏スポット、ご利益スポット、パワースポットの紹介に耳を傾ける。
神社仏閣ライターの坂原弘康さんは、各地のカルチャーセンターにて神社仏閣講座、仏像講座の講師も務める。先日“日本初の大仏ガイドブック”「大仏をめぐろう」をイースト・プレスより刊行したばかり。
今回、坂原さんが紹介したスポットの中から一部を紹介。
矢田坐久志玉比古神社(大和郡山市)
なんと、プロペラがお出迎え。
天から、飛行物体に乗っておりたと言われている神様が祀られているため、飛行機の神様としての御利益があるという。
▲さすが航空神社。
▲さすが関西。
▲さすが関西Ⅱ。
信貴山
昔、聖徳太子が信貴山で「寅の年、寅の日、寅の刻」に毘沙門天王の力を借りて世の中の平和を取り戻したという。そのこともあって、いたるところに寅の姿が。
▲なぜか、目がウルウル
▲なぜか、口には一億円
▲・・・・・・。
飛鳥寺
坂原さん「写真を撮るのはダメっていう所が多いんですけど、住職自ら『大仏も喜ぶから』ってことで写真OKなんです」
▲大仏土鈴
もはや、ありがたいのか、そうでないのか分からない
テリーさん「後ろで未だに『テレホンカード』を売ってますけど・・・」
壺阪寺(高取町)
703(大宝3)年に弁基上人が開基と伝えられ、境内からは藤原宮時代の瓦が出土する古刹。眼病封じの寺。
▲お経を絵で表したもの。昔は漢字を読めない人も多くて、絵で覚えたという。
▲毎年インドに寄付金を送っている。感謝の証として、インドから石仏が贈られてくるという。おかげで、どことなくインドっぽい感じも。
最後は、今、関西で話題のゆび筆の紹介。
奈良市にある「黒運堂」の松井さんが登場。
指にはめて使う筆。
ありそうでなかった商品。
家庭や学校、介護や医療の現場で多く使われているとのこと。
中には10本の指、全部にはめて使う子どももいたそうだ。
▲早速、試すお客さん。
▲関西を中心にテレビや新聞など、各メディアから取材が殺到。
脳と指が一体になった感じで、普通の筆で書くのとは違った感覚になるから不思議。
ぜひお試しを。
というわけで、旅行情報誌が泣いて悔しがるような情報が連発された今回。
皆さんのスケジュール帳には、早くも「奈良旅行」の文字が・・・。
(現場から興奮レポート:やきそばかおる)