動物達の環境問題、権利、福祉・・・もっとみんなで動物達の事を知って考えよう『dog actually~それぞれの動物愛護のカタチ 2010』ライブレポート(10.9/23開催)
2010年10月09日
昨年、満員御礼でテレビでも取り上げられるほど反響のあった
dog actually 主催のイベント『それぞれの動物愛護のカタチ』が今年も開催。
人間と動物はどのように係わればいいのか、真剣なトークが繰り広げられました。
アニマル・ウェルフェア
みなさんは「アニマル・ウェルフェア」という言葉をご存知ですか?
日本語では「動物福祉」や「家畜福祉」などと訳すことができます。
まずはこの「アニマル・ウェルフェア」をテーマに、
ドイツで獣医師をしている京子アルシャーさんと新木美絵さんがトークを開始。
今回のイベントのためにドイツから参加した京子アルシャーさん(左)と新木美絵さん(右)。
私たちが日常で見かける風景にも「アニマル・ウェルフェア」の問題が潜んでいます。
例えば……
狭い鉢で飼われている金魚。これは金魚にとって正しい環境でしょうか?
答えはNOです。
この環境は本来金魚が生きていくべきものではありません。
しかし現在の日本にはこのような状況が溢れています。
動物の権利と動物の福祉
動物の権利と動物の福祉……
普段の生活ではあまり気にしたことがないかもしれませんが、
この2つには違いがあります。
動物の権利を簡単に説明すると
「人間は動物をいかなる場合にも利用してはいけない」という考え。
一方、動物の福祉を簡単に説明すると
「動物が生きる環境をよりよいものにしよう」という考えです。
例えば、ニワトリがケージの中で飼われていた場合、
動物の権利の場合は、「ニワトリを解放し、卵も取らずに自由にしよう」という考えで、
動物の福祉の場合は、「ニワトリを飼うのであるならば、もっと大きなケージで飼おう」という考えになります。
最終的に食べるために飼育する場合でも動物が苦しまない環境のほうがいい、
という考えが動物福祉の根底にはあるのです。
ギュウギュウ詰めで飼われているニワトリ。
動物の権利も福祉も考えられていません。
広々とした空間で飼われているニワトリ。
動物の福祉を考えて育てられています。
では、どのようにすれば動物の福祉は進んでくのでしょうか?
まずは、このような現状を把握することが重要です。
そして、商品を購入するとき、良い環境で育てられた動物の肉などを買えば、
動物たちの環境はよくなります。
「家畜のウェルフェアは消費者次第」と2人は話しました。
幸せな犬を増やすために
続いて、犬の流通問題について清水克久さんと太田匡彦さんがトークを開始。
先日、太田さんは『犬を殺すのは誰か』という本を出版しました。
日本では、幼い犬がよく売れています。
理由は「可愛い」から。
しかし、幼いうちから親と離した環境に置くと、問題行動を起こす犬がいます。
社会としてどうやって犬を守るか、考える必要があるのです。
動物愛護法改正に向けて
続いて、「動物愛護管理法を見直す会」代表の藤村晃子さんが動物愛護法改正に向けての活動を報告。
2009年2月頃は「法改正はありません」と言われていたが、問題は山積み。
しかし、藤村さんなどの活動により2万人の署名が集まり、それを環境大臣に提出。
そして、2010年6月に環境省 動物愛護部会がスタートし、
動物愛護法の改正が検討されることになりました。
「みんなで集まれば力になるということを実感した」と藤村さん。
イベントのラストには犬のために活動している人や団体を表彰する「dog actually award」の発表がありました。
(ライター・たまに大阪)