ウマすぎる!日本酒と缶詰のコラボレーション大宴会!日本酒好きと缶詰好きのあふれる活気で満員御礼!『燗酒に合う缶詰バイキング』ライブレポート(10.01/08開催)
2011年01月14日
3連休の初日も暮れ、すっかり冷え込みが厳しくなった18時前。
その寒さを吹き飛ばすかのような熱気が、東京カルチャーカルチャーにはあった。
その原因は、温まるお燗、そして缶詰だ。
缶詰博士・黒川勇人 さんと、女優で利き酒師の福山亜弥さんがコラボレーションしてお送りするこのイベントは、開催2回目。
「燗酒に合う缶詰バイキング」と銘打った今回は、酒蔵5社、缶詰メーカーも5社が一堂に会して満員御礼の大イベントになった。
なんと言ってもその目玉は、食べ放題飲み放題のバイキング形式なのはもちろんのこと、製造元の方と直接触れ合うことで、その商品をより深く知れることにある。
美味い日本酒と、それに負けないくらいに美味い缶詰。
この2つが組み合わされたとき、どの居酒屋、どのレストランでも体験できないような、活気に満ちた食の時間を私たちは味わっていた。
利き酒師で女優の福山亜弥さん。
このお二方がいなければ、この会は存在しない。
缶詰が日本酒が大量に並んでいる姿は、視覚的なインパクトとして非常に強烈。
こちらは筆者が食した缶詰の一部。
左の大きないわしから時計回りに、
・株式会社高木商店「いわし梅酢煮」
・清水食品株式会社「オードブルツナ バター風味」
・株式会社サンライズ「湯島 旬膳さとり 卯の花」
・国分株式会社「K&K 缶つま さんまとれんこんの炊き合わせ」
・株式会社木の屋石巻水産「新生漢方牛」
このレポートを書きながら、その味を思い出して涎がだらだら出てきてしまう。
この中でも特にお気に入りの一品は、「いわし梅酢漬け」。
大きな身をカプリと一口頬張れば、うま味たっぷりの脂が「これがいわしか?!」と思うくらいに染み出してくる。
梅酢もいわしの美味さを引き出す役に徹していて、その控えめ具合は絶妙。
味付けはさっぱりしているので、すっきりとした日本酒と合わせれば、いくらでも食べられてしまうこと間違いなしだ。
このいわしと合わせた日本酒は、こちら静岡・土井酒造場の「開運 純米吟醸 赤磐雄町」。
すっきりとしながら米の味を生かした味わいは、いわしの脂に負けずに馴染んでいた。
秋田・秋田清酒(株) 「刈穂」
お燗した「刈穂 山廃純米酒 燗上がり」を振舞う、秋田清酒の伊藤洋平さん。
「燗上がり」はお燗にぴったりな濃厚タイプ。
新潟・青木酒造(株) 「鶴齢」
「鶴は千年」より取られたという「鶴齢」の青木酒造からは、目﨑裕子さん。
オススメは、燗でも常温でも美味しい「鶴齢 純米吟醸 山田錦」。
酒つくりに使うお米によって、味が全く違うことにも注目したい。
群馬・永井酒造(株) 「水芭蕉」
世界初の日本酒シャンパン「水芭蕉ピュア」を振舞っているのは、永井酒造の秦克也さん。
黒川さんいわく、「最初の口当たりはシャンパンだけど、後味はしっかり日本酒」のもの。
イベント途中で売り切れてしまうほど人気の高かった一品。
静岡・(株)土井酒造場 「開運」
「開運」の土井酒造場からは、土井弥市さん。
先ほどの写真で「純米吟醸 赤磐雄町」の後ろに写っていたのは、なんと昨年結婚したという奥様。
この日土井さんがオススメしていたのは、「開運 無濾過純米」。
発泡を少し残し、花のような高い香りのためにいくらでも飲めてしまいそうな、いい意味で危険なお酒だ。
和歌山・平和酒造(株) 「紀土」
「紀土」の平和酒造からは、山本典正さん。
常温とお燗で驚くほど味が変わる「紀土 -KID- 純米酒」や、
杜氏の名前を冠した「紀土 -KID- Shibata’s 純米吟醸酒」も辛口で美味い。
山本さんは「若手の会」という日本酒の試飲会も手がけており、
今年の3月にも開催が予定されているらしい。
格安で参加できるということなので、みなさん要チェック!
株式会社木の屋石巻水産
前回、「鯨の大和煮」で強い印象を残した木の屋石巻水産から、杉山加奈さん。
10種類以上の漢方を食べさせた和牛を使用の「新生漢方牛」は、お値段800円也!
しかし値段は値段、肉に付いた漢方の香りが口と鼻全体に広がって咀嚼の度にほっぺたが落ちそうになるくらいこれが美味い。
合わせる日本酒は「鶴齢 純米吟醸 山田錦」のお燗の濃厚さが個人的にはベスト。
写真下の「真いわし 醤油味付け」は、三陸沖で去年上がった脂たっぷりのいわしを使ったもの。
こちらは330円也。
国分株式会社
「これは日本酒に合うと思いました!」と福山さんが声をあげたのは、
国分株式会社「K&K 缶つまプレミアム ハバネロサーディン」。
醤油で味付けたオイルサーディンにピリっと効いた辛みは、確かに日本酒にもマッチ。
黒川さんのオススメは、「ちょっと温めて食べると美味しいですよ」とのこと。
株式会社サンライズ
サンライズ経営の湯島にある居酒屋「さとり」の味を完全再現したという意欲作、「旬膳さとり」。
缶詰で肉じゃがや豚角煮が味わえる常識破りの味はもちろん折り紙付きで、
写真の「卯の花」も、じゃがいもから味付けまで、缶詰とは思えないクオリティ。
SSK 清水食品株式会社
「ツナ缶のパイオニア」(黒川さん命名)こと、SSK 清水食品の湯場亮さん。
230円の「オードブルツナ」はビンチョウマグロを使ったこだわりのツナ。
一枚一枚身を剥がして手詰めしていくので、開封の瞬間は身が大きいそう。
写真一番下は、この日のおみやげにも入っていた「ミックスビーンズドライパック」シリーズ。
「ブルーチーズを和えるとオススメ!」と黒川さん。
株式会社高木商店
上で紹介した「いわし梅酢煮」の高木商店から豊島光伸さん。
いわし1匹が通常80~90gのところ、ここで使われているいわしは120gというあたり、
その大きさがお分かりいただけるだろう。
高木商店史上初というダジャレパッケージもパンチが効いている。
1缶320円のこの缶詰、なんと2010年度の茨城県知事賞を受賞!
政府もお墨付きの美味! ご興味あれば必食!
他にも国分の「熊本 ぶりのあら炊き」や、
SSK 清水食品の「赤貝 醤油味付け」、「いか 醤油味付け」など多数。
なおお土産には、この記事で記述した以外にも、
ノルウェーサバ使用の「激ウマ缶」(黒川さん談)の
リリーコーポレーション「旬海庵さば味付け」も入っていた。
カルカルでは、国分「熊本 ぶりのあら炊き」にバターと長ネギを乗せてボイルするという「ちょい足し」を実践。
冷えていれば煮こごりになっているような脂がトロトロに溶けている様はもはやスープ。
そこにバターと長ネギを絡めれば、極上の料理の出来上がりだ。
ホクホクむしゃむしゃズズズと食べると、ぶりのうま味が醤油とバターの香りと共に、口の中に飛び込んでくる。
長ネギがアクセントになって飽きないし、ぶりは骨までやわらかくて、こちらの骨までとろけそう。
1缶なんかあっという間に胃に落ちてしまう最高の調理法は、
その時たまたま手にしていた「紀土 -KID- 純米吟醸」のお燗にもぴったりマッチ。
この会の幸せを、またひとつ見つけてしまったのだった。
最後は二日酔いコラムニストの大久保美沙さんが登場して、アフターケアーもばっちり。
「二日酔いの本」。……たしかに今までなかった!
大久保さん自身は、二日酔いには炭酸水(特にゲロルシュタイナー)が効くとのこと。
ぜひお試しを。
こちらは左から平和酒造の山本さん、清水食品の湯場さん、同じく清水食品の松村さん。
別名「日本酒と缶詰の見事なコラボレーションにすっかり感服しましたの図」。
「こういうところから日本の食品業界が発展していったら面白いなぁ」などと夢想してしまうのもこのイベントの魅力のひとつ。
お三方ともいい表情だ。
そして、惜しまれつつも、以上で今回のイベントは終了。
会の余韻をおみやげに乗せて、来場者は帰宅の途についた。
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日本酒と缶詰。
響きは地味だが、突き詰めると追随を許さないほど魅力がある。
今回も日本酒と缶詰の素晴らしい組み合わせをすっかり堪能したイベントになった。
次回は一体、どんな新発見ができるのだろうか。
すっかり日本酒ファン、缶詰ファンになってしまった私は、その時をぜひとも心待ちにしたいと思う。
(ライター・安田俊亮)