『「墓マイラーと古墳めぐり」トークバトル!』ライブレポート:アナタはどっち? 古墳好き・墓好きがそれぞれの魅力を語り尽すトークショー! (11.11/27開催)
2011年12月29日
墓巡りと古墳巡り。
どちらもかなりマイナーな嗜好であるが、
実は、踏み込んでしまうと奥深い未知の領域…。
それぞれの魅力を
2人の墓マイラーと2人の古墳マニアが思う存分、
語ってもらうイベントをカルカルで開催!
この記事を読み終える頃には、
アナタは古墳or墓、どちら派になるかな?
左から
小嶋独観(墓マイラー)
あきやまみみこ(墓マイラー)
テリー植田(東京カルチャーカルチャー・プロデューサー)
まりこふん(古墳シンガー)
遠藤哲夫 通称エンテツさん(大衆食堂の詩人)
●あきやまみみこ氏による全国の変わった墓巡り
・墓の魅力にハマった訳
ニースに旅行した際、
たまたま霊園を見つけて入ってみたらそこは、
美術の教科書に出てきたような美しい彫刻の世界…。
その経験をきっかけで墓というものは、
その国その国の美意識が詰まった魅力的なものだと気づき、
次第に墓の魅力にハマっていったとのこと。
・沖縄のお墓
琉球王国の流れを組み、本州とは違った風習を持つ沖縄の墓は
本州とは違った形態をしている。
それは風葬といって、
蔵のような墓の中に遺体を安置して風化するまで待ち、
骨を洗骨した跡、骨壺へ納める習慣であった。
また、これは琉球王国のお墓で、まるでお城のよう。
本州の葬式は悲しいムードで行われ、
笑ったり微笑んだりすると不謹慎とされているが、
沖縄の葬式は親族が集まりパーティーの様である。
・新聞で話題を呼んだ“墓マイラー”
そもそも「掃苔」という言葉があり、
墓についた苔を掃除するというところから、
墓参りの意味となり、著名人や尊敬する人の墓参りすることを
「掃苔」と呼ぶようになったという。
そして“墓マイラー”を新聞社が注目し、
あきやまみみこさんが紹介される!
それにしても日経新聞の「墓萌え天国」って…(汗)。
著名人の墓マップというフリーペーパーがあり、
素人でも墓巡りし易いようになっている。
ということで、あきやまみみこさんによる、
著名人の墓ツアーのはじまりはじまり…!
・夏目漱石の墓
こちらは文豪 夏目漱石の墓。大きくてどーんとした墓で、
迫力のあり威厳がある。
日本好きな外人にも夏目漱石の墓は観光スポットとなっている。
「“日本魂が眠る場所を観光したい”=“夏目漱石の墓巡り”」
という意図から夏目漱石の墓参りしたところ、
ちょうど居合わせた取材陣からインタビューされてしまった
というのが経緯。
夏目漱石に作品を読んでほしいという思いなのか…、
フロッピーが置かれてある。
果たして天国の夏目氏はPCを使いこなせるのだろうか…。
・芥川龍之介の墓
生前愛用していた座布団をモチーフに墓を作って欲しい
という要望があり、その様な墓を作ったとか。
・谷崎潤一郎の墓
芥川龍之介と仲がよろしくなかった谷崎潤一郎。
それが理由なのか、それぞれの墓は背を向いている。
↑谷崎氏の墓の後ろに芥川氏の墓があることを
示している棒が立っている。
・太宰治の墓
太宰治の命日は、このような太宰ファンが墓に終結する。
左の花束を持っている女性が仕切っている。
↑愛煙していたタバコが備えられている。
そして太宰氏と一緒に入水自殺した山崎富栄さんの墓は、
太宰氏とは別の場所にあり、
いつ亡くなったのか分からないため命日が明記されていない。
↑さくらんぼが二つ…。
・沖田総司の墓
新撰組のメンバーで女性ファンが多い沖田総司氏だけあって、
命日ともなれば歴女が墓に大集合。会費を支払うと参拝でき、
この後、懇親会がある。
・坂本龍馬の墓
もう坂本龍馬ともなれば、
NHKのテレビドラマになってしまう位の人気者なので、
こんな改札口ができている。ところでお賽銭って…(汗)。
●まりこふんがレクチャーする古墳巡り
・そもそも古墳って何?
古墳時代にせっせと作られたお墓で、エジプトのピラミッドのようなもの。
その頃は文字文化がなかったため、
詳しい文献がなく「○○の墓らしい」という言い伝えでしか情報がない。
よって古墳を語るには空想を膨らませなければいけない。
全国の古墳の中でも指折りな有名古墳はコチラ。
歴史の教科書にあったよね!
・そして古墳の形は14種類といっぱい
まりこふん曰く「絶対古墳デザイナーがいたのでは!?」
というぐらい豊富な種類。
ショベルカーやトラックがない時代なのに、
こんなに大きいものをどのように作ったのだろうか?
現代の技術ですらトンネルを掘ったとき、
コンピューターを駆使して掘っても2つの穴は1mずれる。
にも関わらず、3世紀半ばから7世紀末の技術で
これほどの物が建設できる測量技術はすごい。
とエンテツ氏が語る。
・まりこふん古墳レポート
まりこふんが、野毛古墳まつりに行ってきました。
そのレポートを紹介!
生憎の雨で会場には誰もいない…。
ということで、寂しい古墳まつりが始まる。
このお祭りの主催者:寺田さんがナビゲーターで、
野毛古墳祭がスタート。
まりこふん曰く、
古墳巡りの喜びは頂上から見下ろした絶景だという。
学芸員寺田さんが埋葬施設についてレクチャーしているシーン。
このお祭りの魅力は古墳以外にもあり、
古代食を堪能することができる!
まりこふん曰く「ドングリは栗の味」に似ているとのこと。
古代米の炊き出し。お赤飯そのものの味らしい。
世にも珍しい古代ストラップ作り!
そして古墳散策が始まる。
散策参加者に古墳資料が配布される。
まりこふん曰く「サイコー」とのこと。
そして散策が始まる頃には、
天気が回復してきて、参加者が増え始める。
いざ等々力渓谷へ出発!
長ーい道のりを歩き、さらに坂道を上って…石室についた!
次は御岳山古墳へ。
ただの木々の固まりじゃん…と素人の目には映るが…。
プロからすると列記とした古墳とのこと。
普段は鍵を掛けられていて中に入れないが、
今回は特別に中に入れるのだ。
そして古墳の登場までには如意輪観音などの、
石仏がいっぱい!
まだまだ続く、狐塚古墳へ。
階段を上って更に上へ上へと進む。
頂上へ到着!円墳で…と魅力をまりこふんが語るが、
素人にはちんぷんかんぷん。
しかし都内でありながらこの様な景色を見られるとは、
古墳巡りは侮れません。
激レアアイテム、古墳ストラップが出来上がっていた。
欲しい…。
最後の締めはやっぱりビール。
運動して消費したカロリーはビールでチャージ♪
●小嶋さんの全国の変な墓
・畑や田の中にポツンとある墓。
農業が盛んな地方出身者なら幾度となく目にした光景であるが、
そもそもなぜこのようなものがあるのか…?
その謎について小嶋さんが考察!
1.もともと墓があった場所が開墾された
2.開墾者を称えて祀られた
3.田畑の横取りを恐れて
上記の理由が考えられるが、
そもそも現代に制定された法律ではこの様な所に
墓を作ることはできないので、結構古い墓と予測できる。
・変わった埋葬方法“樹木葬”って?
その名の通り墓石の代わりに木を植えて祀る方法で、
霊園や墓地などの墓石やコンクリートによる
自然への負担を考え、提案された埋葬方法。
まったく人工物を使わないので、
お墓とお墓の境界線が分からないのが特徴だ。
“樹木葬”を扱っているのが、こちらの「知勝院」。
旅館のように過ごしやすそうなお寺。
山火事防止のため、お線香やタバコは禁止。
どうしてもという方は、お線香を焚く容器が借りれるので、
それを持って行って、使い終わったら持って帰ってくるシステム。
お墓はお化けが出てきそうな暗ーいイメージがあるが、
このお墓は手入れが行き届いているので、
ちょっとした公園のような感じ。
この様に“樹木葬”はとても素朴で、
人も生態系の一つとして自然に戻っていく感じがする。
・日本に住むイスラム教徒の墓事情
イスラム教は土葬が大前提であることを知っていましたか?
しかし今の日本は火葬がメインなので、
土葬ができる墓地って聞きませんよね。
イスラム教徒が日本で亡くなると、
どうなってしまうのでしょうか。
ごくごく限られた地域だが、土葬可能な墓地があり、
山梨県甲州市にある文殊院は、
土葬可能なイスラム教徒向けの墓地がある。
なぜ甲州市なのかというと、
首都圏で数少ない土葬可能な自治体だから。
埋葬のルールが看板に明記されてある。
文化が違うので日本のルールを理解してもらうのが、
難しいところ…。
日本の墓の向かいに、
このようにイスラム教徒のお墓がある。
この囲いは女性専用のお墓。
つまり、結婚してイスラム教徒に改宗した女性達が眠っている。
お国柄なのか隣の壁に勝手に名前を書いています。
そして子供用のお墓…。
●カジポンによる天皇とルーマニアの墓
“墓マイラー”の名づけ親、カジポンによる歴代天皇陵の大紹介!
なんと大阪から駆け付けてくれた。
天皇の墓は宮内庁が管理しているので、
中に入ることができない。
この様に歴代124代の天皇の墓の中から、
19人の墓を紹介してくれた。
やはり天皇の墓だけあってスケールが全く違います。
●ルーマニアの陽気な墓
シゲット・マルマッツィエイのサプンツァ村には、
青をモチーフにしたカラフルな墓がある!
人柄、職業などを墓石に描いて、
どのような生き方をしていたのかを偲(しの)んでいる。
2人の男性が一人の女性を見つめ、
女性に羽がありハートの上に立っている…意味深です。
また電車に跳ねられて亡くなった人の墓石。
銃で撃たれたり、首を切られたり…
そんな激しい墓石。
●エンテツ氏が語る古墳の楽しみ方
・古墳はイマジネーション
古墳時代は、文字のない時代であったので、
誰の墓なのかを書いた資料が残っていない。
よってフィーリングを駆使して妄想し、
実際に足を運んで体でパワーを感じて楽しむのが古墳の喜び
と語るエンテツさん。
また、古墳は丘になっているので、
古墳巡りはウォーキング効果がある!
・縄文時代の都心は海の中
ということで、エンテツさんのコーナーは
中沢新一著「アースダイバー」の一説、東京タワーについての話を紹介。
古墳時代の頃の都心は海の中であった。
そして東京にある古墳の一つ、
上野公園「擂鉢山古墳」。
続いて、古墳とされていないけど、
エンテツ氏曰く、恐らく古墳跡の上にあるだろう「鳥越神社」。
このイベントで散々、古墳の写真を見させられて、
目が慣れてきたせいなのか、古墳のように見えます。
次に「侍乳山聖天」。
ここも古墳のプロからすると、やっぱり古墳跡だろうとのこと。
このカーブか正しく古墳のカーブ!
そう言えばその様に見えてきます…。
現代、3つ古墳の上には「東京タワー」があるという。
人々が集まるこの観光スポットに「東京タワー」が存在するのは、
偶然だろうか、必然なのだろうか?
この説から、「スカイツリー」がある場所には、
どんな古墳が眠っているのか?
5人の墓・古墳のスペシャリストの話はどうでしたか?
一つの趣味を徹底的に極めるのって楽しいですよね。
まだ取り組むテーマが決まっていないという人、
古墳や墓はどうですか?
特に著名人の墓巡りはかなり面白いですよ!
是非、トライしてみましょう。
ホシスミレ/へんしゅう&ぶんぴつ家